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建通新聞社四国
2018/09/18

【高知】高知県が南トラ対策会議 進捗・課題を報告

 高知県は11日、南海トラフ地震対策推進本部会議を開催した。2016年度から進めている第3期行動計画が18年度で最終年度となり、これまでの進捗状況と課題について各部局が報告。合わせて19年度から始まる第4期行動計画に向けた今後の対応について説明した。
 このうち危機管理部では、津波避難空間の整備について避難場所と津波シェルターは計画した全てが整備済みだが、避難タワーは計画115基中、計画変更や地元調整に時間を要した南国市前浜の命山など4基の建設が遅れている。今後も市や町に対し技術的支援を行い早期完成に努めるとした。
 また津波避難路の安全性確保に向けては、全ての現地点検を実施した結果、避難経路沿いのブロック塀の安全対策や住宅耐震化などの対策が必要な箇所が多数あることが分かった。しかし所有者の理解と協力が必要で十分進んでいない。今後宇佐地区の事例を示しながら取り組みの推進を図るとともに、新たな避難空間の整備も検討するとした。
 浦戸湾沿岸域の石油・ガス施設の地震津波火災対策では、これまでの検討会で、防潮堤・護岸の機能強化対策や石油・ガス施設の耐災化対策など六つの重点対策を取りまとめた。これらの優先順位や防護柵新設など新たな対策を整理し、いかに推進していくかが課題だとした。
 孤立対策の推進については、これまでに計画106地区中91地区で緊急用ヘリコプター離発着場整備を支援。山間部では適地確保が課題で、用地買収に時間を要する場合もあるという。県では引き続き技術的助言と財政支援を行う。
 教育委員会では、公立学校のブロック塀安全対策について、県立学校のブロック塀改修は18年度中に完了するが、市町村立小中学校は対策率26%。国の補助制度や緊急防災・減災事業債などの活用を促し、20年度までに対策を完了させるとした。
 県立学校体育館の天井材落下防止などの安全対策については、全40校中、18年度までに調査39校、設計25校、工事5校が完了。20年度までに全ての工事を完了させると報告した。
 保育所・幼稚園などの耐震化や高台移転の支援に向けては、第4期計画で12園の高台移転を盛り込み、このうち21年度までに8園が移転完了予定。耐震化は259棟中242棟が完了しており、残り15園17棟中、21年度までに10園12棟が完了予定とした。
 高知城山体の防災対策については、自然斜面の崩壊危険3カ所中1カ所の対策工事をすでに完了した。今後は残る2カ所の対策を引き続き行う。

提供:建通新聞社