石川県議会9月定例会は14日、本会議を再開、和田内幸三、増江啓、紐野義昭、冨瀬永、八田知子、藤井義弘の6氏が一般質問を行った。
8月末の能登地域を中心とした集中豪雨に関連し、複数の議員が災害対策などを質した。のと里山海道の志賀町矢駄地内では延長20メートル、高さ15メートルにわたり、路肩の盛土が崩壊し、現在、通行止めの徳田大津〜横田IC間の下り車線について、谷本正憲知事は「早期の交通確保を図るため、国の災害査定を待つことなく、速やかに応急工事に着手。鋭意工事を進めており、19日には通行止めを解除できる」と述べ、本復旧にもしっかり取り組む意向を示した。
板屋英治土木部長は中能登地域における道路、河川の被害状況と、復旧に向けた今後のスケジュールについて、「9月12日現在、中能登地域では道路が県、市町合わせ118カ所、河川は86カ所で被害が発生。全体で204件、被害額は約21億円になる」と説明。被災個所のうち、緊急を要する個所は応急対策を講じて被害の拡大防止に努めるとともに、「今後、国に災害復旧を速やかに申請。災害査定を受け、一日も早い復旧を目指して全力で取り組む」と強調した。一方、遠藤知庸農林水産部長は農業関係の被害状況(9月13日現在)に関して「七尾市や志賀町など5市6町で、農地の法面崩壊が355カ所、被害額約3億2300万円、水路や農道、ため池など農業用施設の法面崩壊等が338カ所、被害額約4億2100万円。農業関係の被害額合計は約7億5770万円」と答えた。
また、複数の市町で河川護岸の損壊や、道路法面の崩壊が多数発生したことを受け、山本次作危機管理監は民間団体との災害時における連携協定に基づき「県建設業協会や県建設コンサルタント協会などに応援要請を行い、31社が大型土のう設置、ブルーシート張り、現地調査の業務に協力頂いた」と報告した。
金沢競馬場内の観戦環境の改善に関する質問に対し、竹本重久競馬事業局長は「昨年度からスタンド棟の耐震改修等を実施し、今年度中に完成する。今後とも収支状況を勘案しながら改善を進めていく」と答えた。
賑わい創出の交流拠点/金沢港周辺、用途地域見直し
金沢港湾事務所の移転後の跡地など、金沢港周辺を商業利用ができるように用途地域の見直しを図るべきとの質問に対して、板屋土木部長は「金沢市では都市計画マスタープランの見直しに着手し、必要に応じ用途地域の見直しが行われる」とし、県も参画する策定委員会の議論の中で「金沢港を取り巻く環境が大きく変化していることから産業振興を図る物流拠点としてだけではなく、賑わいを創出する交流拠点として捉えることとし、現在、その内容を踏まえた金沢港周辺の将来のあり方を含む地域別構想の策定に向けて検討を進めている」と語った。