関東農政局印旛沼二期農業水利事業所は、国営印旛沼二期地区で本年度、事業費42億3700万円(2017年度補正分9億8600円、18年度当初予算分32億5100万円)を投入し、埜原機場建設工事や宗吾西第1号、第2号幹線用水路工事、宗吾北幹線用水路工事などを進める。また、一本松機場の水利検討業務や基本設計などを委託する。同事業の昨年度末での進捗率は、総事業費377億円に対し250億6000万円を投入し65・5%となっている。
同事業は@白山甚兵衛A宗吾北B吉高C宗吾西D埜原E一本松――の6ブロックに分け、工事を施工している。機場は白山甚兵衛、宗吾北、吉高、宗吾西、埜原、一本松の6か所を計画。このうち15年4月に白山甚兵衛機場が、昨年4月に宗吾北機場がそれぞれ供用を開始。今後は19年春に吉高機場、20年春に宗吾西機場、22年春に埜原機場が通水開始を予定している。
吉高機場は本年度で機場洪水槽建設工事、ポンプ設備整備工事、支線用水路工事などを実施し、来年3月に通水試験を行う予定。宗吾西機場は本年度で機場建設工事、幹線・支線用水路工事などを実施。埜原機場は機場建設工事に着工する。
埜原機場の建設工事は7月9日に一般競争入札を開札し、安藤・間が予定価格19億1437万円(消費税抜き)に対し18億6000万円(同)で落札した。工期は23年3月15日。工事概要は機場下部工、吸込水槽工、機場上屋工、吐出水槽工、付帯工一式、旧機場撤去工など。工期は約56か月を見込む。
工事ではこのほか、これまでに宗吾西第2号幹線用水路工事(その1)、同(その2)、宗吾西第1号幹線用水路その3工事、宗吾西第1号工事(その2)、宗吾西機場ポンプ設備制作据付工事、吉高支線用水路その7工事などの入札を執行している。
国営印旛沼二期地区は、成田市、佐倉市、八千代市、印西市、印旛郡酒々井町・栄町の4市2町にまたがり、受益面積5002haに及ぶ。同地区は国営干拓土地改良事業により事業を実施したが、造成から40年以上が経過し、施設の老朽化による機能低下が生じている。耕作地は区画整理がなされておらず、農業生産の向上に支障をきたしている。このため、基盤整備を実施し、農業生産性の向上と農業経営の安定を図る。
事業は10年度に着工。25年度までの15か年(施設機能監視期間3年を含む)で総事業費377億円を投入し、揚水機場3か所、用排水機場3か所、幹線用水路2条1・2q、支線用水路35条51・7q、幹線排水路1条1・1qを整備する計画。
これまでの主な入札の結果は次の通り。
▽宗吾西第2号幹線用水路工事(その1)=萩原土建2億3318万円▽吉高幹線既設2号線減圧水槽その他工事=萩原土建2億4880万円▽宗吾西第2号幹線用水路工事(その2)=アイサワ工業3億2800万円▽宗吾西第2号支線用水路工事(その2)=遠藤建設1億7300万円▽埜原機場建設工事=安藤・間18億6000万円▽宗吾西機場ポンプ設備製作据付工事=電業社機械製作所4億1164万円▽宗吾西第1号幹線用水路その3工事=青木あすなろ建設3億1300万円▽宗吾西第1号幹線用水路工事(その2)=若築建設4億450万円▽宗吾西機場洪水槽建設工事=飛島建設4億1500万円▽吉高支線用水路その7工事=桜井建設1億6700万円