国土交通省と愛媛県は、7月西日本豪雨により甚大な被害が発生した肱川流域において、連携し「緊急的対応」「おおむね5年間」「同10年間」の3段階で再度の災害防止に取り組む方針を発表した。うち「緊急的対応」や激甚災害対策特別緊急事業(激特事業)などを含む河道整備に取り組む「おおむね5年間」(2018〜23年度)では、約290億円を投入し、樹木伐採、河道掘削、堤防整備、暫定的な堤防の嵩上げなどを実施する。
【緊急対応】
3段階のうち「緊急的対応」では、予備費による樹木伐採や河道掘削、野村ダム下流などの土砂堆積部の河道掘削、暫定堤防嵩上げ70a。他、野村ダム(西予市)と鹿野川ダム(大洲市)の操作規則の変更を実施する。
【5年間】
「おおむね5年間」では、激特事業として212億円(国約142億円、県約70億円)を充て、中下流部で最大約6・2bの堤防整備と暫定堤防を3・6b嵩上げする。
激特事業の国による整備地区は、肱川の左岸6・5`〜19・8`区間の1万3300b、右岸3・6`〜19・8`区間の1万6200b。矢落川の左岸0・1`〜0・7`区間の600b。
県の整備地区は肱川(菅田地区)の7900b。左岸上流から池田成見工区、村島工区、本郷工区、裾野工区、小倉工区。右岸上流から阿部板野工区、菅田工区、追打上流工区、追打下流工区、父工区、中尾工区。他、久米川の2500b。
【10年間】
「同10年間」では、7月豪雨と同規模洪水を安全に流下させるため、さらなる河川整備などを推進するとともに、26年度には山鳥坂ダム(大洲市)を完成させる。
提供:建通新聞社