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北海道建設新聞社
2018/09/14

【北海道】胆振東部地震で企業の「節電」広がる 休止にする現場も

 6日に発生した北海道胆振東部地震の影響で電力の供給力不足が懸念される中、工場やオフィスでも節電の取り組みが広がっている。降雪シーズンが近づいていることもあり、建築、土木とも現場は今が最盛期。しかし、資材調達のしにくさや、電力使用への配慮から、工事を休止している現場も出ている。
 経済産業省は家庭、業務、産業の各部門に対し、午前8時30分から午後8時30分までの節電コア時間帯≠ノ、平時よりも2割節電するよう求めている。オフィスビルなど業務部門では、執務エリアの照明を半分ほど間引きすると15%、空調の室温を28度に設定すれば3%の節電効果があると示している。
 経産省や道などによる節電要請を受け、土屋ホールディングス(本社・札幌)の本社ビルでは、8階全フロアのエアコン使用をやめたり、エレベーター2基のうち1基を止めるなどの対応をしている。戸建て現場は今が最盛期だが、電動工具の使用を控えていることなどから、工事を止めている物件もあるという。
 NTT東日本北海道事業部は、グループの節電施策を10日から実施。照明や空調の使用を控えているほか、ビル内の自動販売機や家電品の利用を休止。併せて、在宅勤務やフレックス勤務の活用も拡大しているという。
 北海道ティーシー生コン(本社・北斗)は、他社との共同操業や製造委託を合わせた道内10工場の各工場長に対し、2割の節電を実施するよう指示した。
 東区苗穂町の札幌工場では、地域の明かりとして重宝されているプラントのライトアップを自粛したり、事務所の照明を間引きするなどして対応。成田真一社長は「削減の余地は少ないが、道民の義務として社内で創意工夫を促している」と話す。
 道路工業とガイアート、岡本興業、地崎道路によるライラックアスコン共同体は、札幌市内で陥没した道路の緊急舗装向けにフル稼働している。そんな中、計画停電と同様に心配しているのが、A重油の確保だという。
 「病院や官公庁といった公共施設向けに優先され、在庫薄になっている」(道路工業の曽根康行常務)。A重油は材料を加熱したり製品を乾燥させるのに不可欠で、現状の燃料確保に苦慮しつつ、今後の供給動向にも不安を抱いている。