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建通新聞社
2018/09/14

【大阪】大和川沿いに遊水地 19年度にも初弾工事

奈良県域となる大和川中流部の遊水地整備が本格的に動き出す―。事業を所管する国土交通省大和川河川事務所は、用地買収の進捗を見ながら、設計など着工に向けた準備を進めており、2019年度中の初弾工事の発注を視野に入れる。
 計画する遊水地は、奈良県川西町の保田、唐院地区の2カ所、安堵町の窪田地区の1カ所、斑鳩町の三代川、目安地区の2カ所の全5カ所。このうち保田と窪田の両地区の用地買収が最も進んでおり、整備を先行する。中でも保田は、8月までに9割近く用地買収を完了し、本年度中に買い上げを終える予定で、来年度にも整備工事を発注する見通しだ。
 保田の計画地は大和川の河口から34`の地点で、大和川に合流する2支川(曽我川と飛鳥川)に挟まれた浄化施設の跡地となる。敷地面積は約7fで、深さ4bの遊水地を整備し、大雨時に13万立方bの雨水を貯留する。
 遊水地に必要となる排水樋門は、浄化施設の既存施設を利用できるため、本体工では主に掘削や一部周囲堤、越流堤の整備を行う。別に、遊水地に隣接して影響解消施設(樋門、ポンプなど)を整備する。
 遊水地の工期は、影響解消施設の整備を含め5年程度を見込む。設計は本体工を建設技術研究所(大阪市中央区)、影響解消施設をオリエンタルコンサルタンツ(大阪市北区)が作成した。
 浄化施設の撤去工事は、上下部工に分け進められている。
 窪田については、18〜19年度の2カ年で用地買収を完了する予定。保田から大和川を挟んで対岸となる22〜23fの敷地で、用地買収は保田とともに奈良県の土地開発公社が担当している。
 残る3地区については順次、地元との調整を進めていく。
 遊水地整備は、1982年8月の降雨で戦後最大となる洪水が発生したことを受け、大和川中流部の治水対策として計画。大和川の河口から30〜36`地点に総洪水調節容量おおむね100万立方bの遊水地を整備することとしている。