熊本地震で大規模な山腹崩壊が発生した阿蘇大橋地区の斜面復旧について九州地方整備局は、今後全てのエリアを有人で施工する方針を明らかにした。国道57号復旧では立野橋の撤去や浸食防止対策を進めていく。5日にホテルエミナースであった阿蘇大橋地区復旧技術検討会(委員長・北園芳人熊大名誉教授)の第7回会合で了承された。
斜面復旧は、浸食や風化、落石などを防ぎ、安定化を図る恒久対策に取り組んでいる。斜面中腹に残る崩壊土砂を無人化施工で除去し、斜面上部から中腹部(標高620b)にネット工を施していたが、このほど作業が完了した。
ネット工を終えたことで、全てのエリアで有人作業が可能になった。今後は土砂撤去を行い、植生マット・ネット工、山腹工、土留盛土浸食・風化対策の順で進めていく。並行して、斜面下部に鋼製の土留工(4段目)も設置する。
国道57号の復旧では、立野橋(上部工55b、橋台2基)の撤去を計画している。地震で上・下部工が水平移動し、支承・落橋防止機能が喪失、崩落の可能性があるため。新しい阿蘇大橋を熊本市側に施工しており、立野橋から旧阿蘇大橋までの区間は、これまでの4車線から2車線となる見通し。
欠壊した黒川河岸斜面220b(熊本側140b、大分側80b)については、浸食防止対策に取り組む。対策工は簡易吹付法枠工を予定し、熊本側は区間内に立野橋が架かるため、橋撤去後に施工する。
提供:
西日本建設新聞社公式フェイスブックページ:「
記者 建設探訪」