東京都建設局は“東京の顔づくり”として進めている「シンボルロードの整備」の見直しに向けた検討を開始した。20路線・延長81・9`を対象に、地域特性に合わせた個性豊かで魅力的な道路空間づくりを進めてきたが、全体延長のうち約半分が未整備の状況にある中で、都市づくりの方針や地域を取り巻く環境が大きく変化していることから、時代のニーズに合った事業となるよう整備路線や整備計画を再検討し、新たな整備方針を定める。
同事業では、東京の代表的な道路を、それぞれの沿道周辺地域の歴史や文化、生活などの特色を生かしつつ、個性豊かで魅力的な空間として整備し、東京にふさわしい「顔」を創り出すことが目的。1990年に検討委員会が対象路線を選定し、晴海通りや中央通り、内堀通り、明治通り、浅草通り、靖国通り、八王子駅前通り、外堀通りなどの整備に着手した。
整備開始から約30年が経過し、一部路線で歩道空間の確保や無電柱化、照明灯の設置、道路標識の設置といった事業が進展する一方、全体の約半分の整備が完了しておらず、未着手の路線もある。この間、東京の都市づくりの方針や、それぞれの地域を取り巻く環境が大きく変わっていることから、改めて対象全路線を調査し、整備済みの範囲や未整備の範囲、整備内容、沿道の商店街や住宅地の状況などを確認。事業の実施や維持管理などに関する課題を抽出する。
これを基に、今後整備していく路線や整備を行わない路線、新規に追加すべき路線と、維持管理の方針を検討し、新たな整備方針案をまとめていく。
検討業務は中央コンサルタンツ(新宿区)が担当し、年度内に取りまとめる。
提供:建通新聞社