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建通新聞社(神奈川)
2018/09/14

【神奈川】県 太陽光発電設備の共同購入を支援へ

 神奈川県は、太陽光発電設備の共同購入支援事業に全国で初めて取り組む考え。県が選定する共同購入支援事業者が一般家庭などから多くの設備購入希望者を募り、そのスケールメリットを生かして施工業者と価格交渉することにより、低コストな設備導入が可能となる仕組み。開会中の県議会第3回定例会で黒岩祐治知事が国松誠議員(自民党)の代表質問に答えた。現在、事業スキームなどの検討を進めており、2018年度内に共同購入支援事業者の公募手続きを開始する方針だ。
 共同購入は、太陽光発電の導入促進の一環。一般家庭など購入者には、一括大量発注によって太陽光発電設備を比較的安価で導入できるなどのメリットがある。国内での実施事例はないという。
 事業実施に当たってはまず、県が公募によって共同購入支援事業者を決定。共同購入支援事業者は施工業者の選定とともに、県民に事業周知を行うことになる。設備購入希望者は登録され、設備導入に関する価格提示を受ける流れ。県の予算額はゼロ。
 県はこれまで、共同購入事業を行っている海外3都市(ロンドン、アムステルダム、アントワープ)の事例調査などを実施。これを踏まえ、適切な購入数(世帯数)、共同購入支援事業者の選定条件、施工業者の形態(単体、JVなど)といった事業の枠組みを検討している。ちなみに、海外の各都市では全世帯数の数%が共同購入に参加しているという。
 黒岩知事は、共同購入支援事業者と連携したキャンペーンで普及を加速化させる考えを示した。また、太陽光発電関連の施策として、県有施設で行っている「屋根貸し」の市町村への働き掛け、道路施設への設置なども行っていく方針を明らかにした。
 県は、太陽光発電を含めた再生可能エネルギーなど分散型電源について、県内年間電力消費量に占める発電量の割合目標を設定している。18年度は19・6%の達成を目指している。これまでの実績は14年度12・4%、15年度13・8%、16年度13・5%。

提供:建通新聞社