京都市は12日、9月補正予算案の概要を発表した。大阪北部地震を受け、公共施設・民間社会福祉施設の倒壊の危険性のあるブロック塀への対策を講じるととともに、7月豪雨の迅速な復旧・支援を行う費用に充てる。
一般会計は87億6600万円、中央卸売市場第二市場・と畜場特別会計は2700万円を増額する。ブロック塀対策などに24億0400万円、7月豪雨対応に16億7600万円を充てる。
公共施設ブロック塀の撤去・フェンスの再設置に20億3900万円を計上。倒壊の危険性のあるブロック塀について、塀の高さが2・2m超や控え壁がないなど、とりわけ危険性が高いと判断されるブロック塀の対策を最優先で進める。
ブロック塀の総数は920ヵ所(公営企業所管の94ヵ所を除く)あり、このうち建築基準法に適合していないブロック塀は614ヵ所で全て撤去などの対策を講じるが、その中で313ヵ所について9月補正で所要額を計上。最優先で対策を講じる313ヵ所のメドがつき次第、残る301ヵ所についても優先度の高いものから順次予算措置し対応する方針。
9月補正で予算措置したものを所管別にみると、[一般会計]▽教育委員会(学校・幼稚園)93ヵ所(10億8800万円)▽建設局(公園、土木事務所)102ヵ所(4億0300万円)▽文化市民局(運動公園)55ヵ所(3億3000万円)▽保健福祉局(デイサービスセンター)13ヵ所(5500万円)▽子ども若者はぐくみ局(市営保育所、児童館)17ヵ所(5400万円)▽都市計画局(市営住宅)17ヵ所(3200万円)▽産業観光局(旧公設小売市場)6ヵ所(2700万円)▽消防局(消防署)5ヵ所(1300万円)▽環境政策局(クリーンセンター)1ヵ所(400万円)▽総合企画局(国際交流会館)1ヵ所(400万円)▽行財政局(旧サービス事業推進室庁舎)2ヵ所(200万円)[特別会計]▽産業観光局(中央卸売市場第二市場)1ヵ所(2700万円)。
民間社会福祉施設に対するブロック塀撤去等に係る補助制度の創設に3億6500万円を計上。保育所をはじめとする民間社会福祉施設が取り組むブロック塀の撤去及びフェンス等の再設置を支援するため、新たな補助制度を創設。公共施設ブロック塀と同様に、とりわけ危険性の高いブロック塀の対策に要する経費を計上。
7月豪雨の復旧等では、建設局が土木災害復旧事業に11億9300万円を計上。道路は一般国道162号、宇多野嵐山山田線、京都京北線、京都広河原美山線、京都日吉美山線など、河川は鴫谷川、谷山川、出灰川、小塩川、谷田川など、公園は久世橋西詰公園、桂川緑地離宮前公園、桂川緑地、桂川緑地上野橋東詰公園の復旧工事等に要する経費を補正する。
道路維持補修費に2億1200万円を計上、被害を受けた箇所の舗装復旧、土砂撤去等に伴い不足する経費を補正。河川維持補修費に1億2300万円を計上、河川に流出した土砂撤去、護岸改修等に伴い不足する経費を補正。公園維持管理費に300万円を計上、土砂被害復旧、倒木撤去等に伴い不足する経費を補正。
文化市民局は運動公園災害復旧事業に8300万円を計上。冠水した河川敷の運動公園(桂川緑地久我橋東詰公園)について、堆積土等の撤去及びグラウンドの復旧工事を行う。
産業観光局は農林災害復旧事業に5600万円を計上、農地・農業用施設及び林業用施設等の復旧作業に要する経費を補助する。