千葉市は12日、同市動物公園魅力向上のためのマーケットサウンディング(市場調査)の結果概要を公表した。昨年12月に募集を行い、今年1月に対話を実施したもので、18団体から22件のアイデアが提案された。主な提案内容は、遊び場の整備、イベントなどの企画運営、ソフトウェア開発、再整備、物販の企画開発など。質の高いサービスが期待でき、リピーターの確保等による集客増につながる提案、市の管理費用等の軽減につながる提案については、今後、事業者の公募も検討する。
既存施設の活用や新たな施設の設置、イベントの実施など、民間事業者から新たな楽しみ方や空間の創出に関する提案を行ってもらい、対話を通じて市場性や実現性などを把握するのが同調査の目的。提案エリアは、動物展示場を除くすべてのエリア。ただし、動物展示場におてもイベントやプログラムの提案については可。
参加者の主な事業分野は観光、遊び場の管理運営、遊戯施設等の設計施工、イベントの運営、広告業、ICT技術開発、不動産開発、建設コンサルタント、投資ファンド、雑貨等企画開発、アミューズメント機器レンタル、NPO団体(自然遊び)など多岐にわたる。
提案内容をみると、「遊び場の整備」では大人から子どもまで楽しめる遊戯施設の導入、子ども向けのテーマ型遊戯施設の導入、園内の自然・景観・巨樹などを活用した大規模な遊戯空間の導入、水遊び場の拡充等が提案された。
また、「イベントなどの企画運営」では来園者間の交流を促進するイベントの導入、園内の回遊性を高めるイベント等の導入、夜間イベントの開催、各種体験プログラム等が提案された。
さらに、「ソフトウェア開発」ではAIを活用したコミュニケーションツールの導入、クラウド型サイネージ管理システムの導入、「再整備」では映像体験システムの導入、商業施設の導入や無料区域の設定等大規模な改修、宿泊体験型サービスの導入等が提案された。
このほか、「物販の企画開発」では同園の動物をモデルとしたオリジナルグッズ等の導入、「その他」として子ども向け自然環境学習の導入も提案された。
同市では昨年度、動物公園を都市の活性化につなげる集客観光施設として再生するため、動物展示とは異なるアプローチによる魅力向上策の検討調査をJTB総合研究所(東京都港区芝3−23−1)へ委託しており、この調査の一環として市場調査を実施した。
若葉区源町にある同市動物公園の面積(都市公園開設面積)は33万9722u。大きく動物施設ゾーン(モンキーゾーン、動物科学館、子ども動物園、家畜の原種ゾーン、小動物ゾーン、草原ゾーン、鳥類・水系ゾーン、乗馬コーナー)、管理施設ゾーン(普通車駐車場1548台、大型車駐車場49台、身体障害者専用駐車場21台、正門・西口・北口の各ゲート、動物病院、管理ヤード等)、公園施設ゾーン(中央広場、展望デッキ、大池、芝生広場、バーベキュー場、植栽地)に分かれている。
また、建築物は76棟(動物舎及び関連施設46棟、レストラン・売店など来園者サービス施設23棟、管理施設7棟)で、総延べ床面積1万7390・52u。