神奈川県県土整備局は、小出川遊水地の工事を2024年度に開始する考え。現在、基本計画の策定に向けた作業を進めているところで、規模や想定エリアなどが固まり次第、地元説明に入る。順調なら、19年度に用地買収などを始めることになる。工事の完了は33年度を見込んでいる。
小出川は、藤沢市遠藤付近に源を発し、茅ケ崎市と寒川町の境を流れ、平塚市須賀付近で相模川に合流する延長10・5`、流域面積34・7平方`の1級河川。
同局では浜園橋から追出橋までの4・5`を対象とした河川改修事業を03年度にスタート。時間雨量50_の降雨に対応するため、川幅を広げ、護岸と遊水地の整備などを行う計画だ。進捗率は48%(用地取得率90%)。
遊水地については、15年4月に県が策定した「相模川水系小出川・千の川河川整備計画」で、茅ケ崎市北部の小出川中上流地域(寺尾橋〜矢崎堰間)に洪水調整施設を整備することが盛り込まれていた。複数の候補地の中から茅ケ崎市行谷地区を整備予定地に決めたのは17年度のこと。
その後、藤沢土木事務所が基本計画案の作成業務をクレアリア(東京都北区)に委託し、遊水地として確保可能な面積・容量などを検討している。委託成果は地元説明に向けた基礎的な資料とする。
19年度以降は基本計画に基づき、用地の調査、買収などを進める。23年度までを調査・設計などに充てた後、24年度の着工を目指す。
遊水地工以外の事業については、用地取得(25年度まで)、河道整備(32年度まで)、橋梁架け替え工(23年度まで)をそれぞれ予定している。
小出川の河川改修事業は、県土整備局の18年度公共事業評価の審議対象となった。8月に行われた審議会は、遊水地整備による洪水の調整、河道改修による残区間の流下能力向上が必要であることなどを理由に、事業の重要性が高いと判断。「継続」を妥当とした。
提供:建通新聞社