愛媛県は、7月豪雨災害対応や県単独の防災・減災対策などを盛り込んだ9月補正予算案115億5466万円をまとめ、12日から始まる9月議会に上程する。会期は9月12日から10月10日。当初からの累計は7038億8218万円となり、対前年同期と比べ520億円余り増え8・1%増となった。大きな要因は7月豪雨災害による復興支援や積極的な防災・減災対策を盛り込んだためで、普通建設事業費と災害復旧事業費からなる投資的経費が対前年同期比で528億5000万円増加している。今回の9月補正においても公共事業、県単独事業、災害復旧事業を合わせた投資的経費に62億8576万円を計上している。
9月補正予算の7月豪雨災害対応では、被災者の生活再建支援などとして、追加支援や災害廃棄物の広域処理促進に7億9150万円。社会基盤などの復旧対策として、被災した市町(宇和島市と大洲市)に代わって道路の復旧に向けた災害受託事業に10億1430万円、被災した宇和島市の農業用施設(用水管・スプリンクラーなど)の受託復旧に4100万円、自然公園施設の災害復旧に1416万円、みかん研究所などの県有施設の災害復旧に9961万円などを計上した他、肱川への簡易水位計設置74カ所などの洪水情報提供体制強化に6500万円を計上した。
県単独で行う県民の安全・安心確保対策の推進では、地震などによる大規模災害に備え、緊急輸送道路などの改築など70カ所に11億2300万円、原発から半径30`圏内や津波浸水想定区域内の法面工や路面補強などに14億2000万円、浸水被害危険箇所の護岸改修や樋門改良など60カ所に6億3410万円、河川堤防危険箇所の堤防強化など緊急対策3河川に1億円、土砂堆積が著しい67カ所の河床掘削などに4億円、津波対策の護岸補強など16カ所に1億7720万円、港湾施設改良19カ所に2億1300万円、砂防施設の緊急機能強化66カ所に7億5000万円など。
他、三島川之江港で取り扱う製紙関連産業のコンテナ貨物量の増加に対応するため、新たな荷役機械整備に向けた基本設計委託費に1410万円を計上した。
提供:建通新聞社