清水建設北陸支店(齊藤武文執行役員北陸支店長)と同社エンジニアリング事業本部は5日、富山市のANAクラウンプラザホテル富山で、「医薬セミナー2018」を開いた。
セミナーは薬の富山の歴史を踏まえ、同社が全国の支店で唯一、毎年開催しているもの。今回はデータ管理に関して今後、国内で実践的な対応が求められる「データインテグリティ」の最新情報などを紹介した。
この日は、富山県内の医薬品関連企業を中心に計45社、過去最多の180人が参加。
開会に当たり、齊藤支店長があいさつに立ち、「弊社主催の医薬セミナーは、今年で8年目を迎えた。今回も各分野でご活躍の先生方に、現在話題のテーマで講演していただく。最新の医薬品技術と全体的な医薬品業界の話しが、皆様のさらなる発展の一助になればと願う」と述べた上で、「弊社創業者の生誕の地は富山の大沢野。医薬品が盛んな富山において、皆様の今後の設備投資の良きパートナーとなれるよう、こうした機会を通じ、私どもも研究と努力を重ねている。建屋の建設はもとより、近年ではエンジニアリング部門も含めて一括して工事を任せていただけるようになった。今後ともより良い提案やニーズの実現ができるよう頑張りたい」と話した。
セミナーでは、シー・キャスト代表の荻原健一氏が、「データインテグリティの要件とその実践的な対応」、一般財団法人流通システム開発センターソリューション第1部の植村康一部長が、「医療安全・信頼の扉を開くGS1データバー」、江口眞氏が、「医薬品のGDP対応について」と題しそれぞれ講演。
また、清水建設エンジニアリング事業本部の濱田健史氏は、「最新抗体医薬品工場の取り組み」をテーマに、最新技術などを紹介した。一般財団法人北陸経済研究所の川田文人エグゼクティブフェローによる特別講演「富山県と医薬品業界」も行われた。
清水建設富山営業所の谷口豊所長は、「セミナーは、富山県の医薬品業界と関連企業の皆様に最新の情報を提供することで、業界の発展に寄与するとともに、当社の医薬への取組を知っていただくために開いてきた。今後も富山の医薬品業界のお役に立ちたい」と話している。
なお、同社北陸支店における98(平成10)年以降の医薬品関連施設の累計受注高は、富山県内を中心に350億円超に上っている。