国土交通省荒川下流河川事務所は、高規格堤防の整備区間を対象とした「荒川下流沿川整備基本構想」の策定に着手する。このため、「H30荒川下流沿川整備検討業務」の委託に向けた簡易公募型プロポーザルを9月6日、公示する。国交省の有識者会議が2017年末にまとめた、高規格堤防整備の効率化に関する提言などを踏まえ、整備の推進策を考える。
プロポの参加表明書の提出期間は21日まで。参加要件では、高規格堤防の整備に関する検討実績を類似業務として評価する。まちづくり(市街地開発事業を含む)の検討実績もある場合は同種業務として評価する。
荒川下流部では、高規格堤防と市街地の整備指針として、00年に「荒川(東京ブロック)沿川整備基本構想」、01年に「荒川(埼玉ブロック)沿川整備基本構想」を策定していた。その後、10年度の事業仕分けを経て高規格堤防の整備区間を大幅に縮小。現在は人口が集中し、破堤時には甚大な被害が想定される延長約51・9`が当面の整備対象となっている。
今回作成に着手する新たな構想には、整備延長の見直しや、沿川のまちづくりの状況を反映する。また、市街地整備との連携強化や盛土と建築物の一体的な施工など、国交省の検討会が提言した施策も踏まえた内容にする。
委託業務ではまず、沿川地域でのまちづくりや河川整備に関する基礎資料を収集・整理。高規格堤防整備のさらなる推進に向けた課題を抽出し、解決策を検討する。成果は基本構想改定の素案としてまとめる。履行期間は19年5月まで。
提供:建通新聞社