愛知県内の公立小中学校で、つり天井や照明、バスケットゴールなどの耐震対策が未実施の屋内運動場などの棟数が、全国で2番目に多いことが分かった。文部科学省が公表したフォローアップ調査によると、前年度の67棟から減ったものの、4月1日時点で対策が未実施の棟数は54棟ある。また、公立高校は126棟、公立特別支援学校は6棟で対策が未実施で、対策実施率が全国ワースト2位となっている。全国的に見ても対策が遅れている状況だ。
県内の公立小中学校の屋内運動場などは1704棟ある。このうちつり天井があるのは106棟。これまでに52棟の対策を終えており、対策が未実施の棟数は54棟となった。愛知県は学校数が多いため、対策実施率にすると96・8%となり、全国順位は37位となる。
県内で対策が未実施の屋内運動場などが残っているのは、▽愛西市(10棟)▽美浜町(7棟)▽東海市(6棟)▽田原市(6棟)▽あま市(6棟)▽みよし市(5棟)▽瀬戸市(3棟)▽幸田町(3棟)▽津島市(2棟)▽南知多町(2棟)▽高浜市(1棟)▽蟹江町(1棟)▽阿久比町(1棟)▽東浦町(1棟)―の14市町。前年度から2市町減った。
県内の公立高校の状況を見ると、屋内運動場349棟のうち、対策を実施していないつり天井があるのは126棟。126棟は全て県立学校だ。対策未実施の棟数は東京都に次いで全国で2番目に多い。また、対策実施率にしても、全国平均の93・2%を大きく下回る63・9%で、全国ワースト2位だ。
特別支援学校は、屋内運動場44棟のうち対策を実施していないつり天井を有するのは6棟。6棟全て県立学校。対策実施率は86・4%。全国平均の98・5%を下回り、全国ワースト2位となっている。
公立幼稚園については、すでに対策を完了している。
つり天井を有していないか撤去を終えている屋内運動場で、照明、バスケットゴールの落下防止対策が未実施の棟数は、小中学校が146棟、高校が129棟、特別支援学校が29棟ある。幼稚園に該当の建物はない。
一方、屋内運動場などのつり天井や照明、バスケットゴール以外の非構造部材の耐震点検の状況は、県内の小中学校1395校のうち、1139校で点検実施しており、耐震点検の実施率は81・6%となった。全国平均の84・2%をやや下回った。一方、耐震対策が不要か対策を完了したのは361校で、耐震対策の実施率は25・9%にとどまっている。全国平均の39・6%を13・7ポイント下回った。
高校は、165校全てで点検を実施。しかし耐震対策には着手できていない状況だ。
特別支援学校も38校全ての点検を実施した。耐震対策が不要か対策を完了したのは4校にとどまっており、耐震対策の実施率は10・5%となっている。
幼稚園は、86園のうち61園で点検を実施。点検実施率は70・9%となった。耐震対策が不要か対策を完了したのは23棟で、対策の実施率は26・7%となっている。
提供:建通新聞社