県土整備部は4日、7月豪雨の本格復旧対策を柱とする「9月補正案」109億円の概要を固め、県議会主要各会派に説明した。今後、補正案は知事査定を経て、18日開会予定の9月定例会(〜10月15日)に提出する。
うち大半を占める7月豪雨関連の補正予算案は先議議案。
7月豪雨対策では、建設災害復旧費に104億6000万円を追加。補正後は131億6900万円とし、道路や河川など公共土木施設を復旧するほか、今後の台風災害に備えた復旧費も確保する。
直轄災害復旧費は1億2000万円を計上。事業費規模は3億6000万円で、千代川護岸(鳥取市国安)、国道53号護岸(智頭町市瀬)など直轄河川2カ所、道路6カ所を復旧する裏負担に充てる。
単県斜面崩壊復旧費は4000万円を追加。小規模で補助の対象にはならず、市町村が実施する吉川地区、中石見地区など若桜町1地区と日南町7地区の復旧対策を助成する。
また、小規模砂防施設新設費は4000万円を補正し、黒川谷川(三朝町坂本)に渓流保全工を整備する。
治山施設災害関連事業費は2億3000万円を追加する。うち災害関連緊急治山が1億5000万円。屋住地区(鳥取市用瀬町)、赤波地区(〃)、上萩山地区(日南町)を対象に谷止め工を整備する。林地崩壊防止は8000万円で、鳥取市と南部町が実施する同市国府町吉野と同町境の崩壊対策をそれぞれ支援する。
このほか、浸水被害が発生した鳥取市吉成南地区では、清水川排水機場に排水ポンプ車の車庫を整備するため2700万円を補正する。
これら7月豪雨に関連する先議議案以外の9月補正案は3900万円。昨年9月の台風18号で浸水した鳥取市河原町渡一木では、地区内を流れる大井手川の護岸360bをかさ上げする。
9月補正後の同部予算は586億7300万円。前年同期470億6900万円に比べ、災害対策で大きく膨らんだ。
日刊建設工業新聞