トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

日刊建設タイムズ社
2018/09/05

【千葉】1次答申書を提出/県生涯学習審議会/博物館・美術館の在り方/役割など方向性を整理

 県教育庁は先月31日、第12期千葉県生涯学習審議会(会長・重栖聡司千葉大学教育学部教授)を県議会棟で開き、「県立博物館・美術館の今後の在り方」について審議。審議後には、重栖会長が澤川和宏・県教育長に第1次答申書を手渡した。1次答申は県立博物館の今後の在り方検討の方向性など基本的な考え方をまとめたもので、今後、「施設整備の方向性」などを審議し、最終答申とする予定。
 県生涯学習審議会では、県教育長からの諮問を受けてこれまでに5回の会議を開催。県立博物館の沿革や県立博物館の現状と課題を整理し、問題解決のために必要な観点や取り組みの方向性などについて審議した。
 その結果、市町村立博物館等と連携・支援を進めながら、全県域を俯瞰した博物館活動を行うことや、わかりやすい情報発信に努めることなど、これからの「県立博物館の役割」についての基本的な考え方を整理。また、博物館資料や博物館機能の強化の視点で「県立博物館の機能集約等」についての方向性を示し、「県立博物館・美術館の今後の在り方」に関する基本的な考え方をまとめた。
 ただ、これまでの検討では具体的な博物館機能や施設の集約、整備等の「施設整備の方向性」については審議に至っていないため、今後、1次答申を受けて、市町村や関係機関との協議。この検討結果・報告等を待って、改めて「施設整備の方向性」などを審議し、最終答申としてまとめていく方針。
 答申は@県立博物館の沿革A博物館をめぐる現状と課題Bこれからの県立博物館――で構成。「これからの県立博物館」では、県立博物館の役割として、新たに「県の良さ・魅力を伝える、県民の郷土への愛着と誇りを育む」と「全県域を俯瞰した資料の収集、展示、教育普及、情報発信を進め、市町村立博物館等を支援する」の2項目を追加。
 博物館の在り方検討の方向性については、生涯学習社会の進展や、地域文化・科学に対する学習要求の多様化、高度化した情報社会、社会教育施設に寄せられる地域や観光振興への期待の高まりに適応するため、施設総量の適正化(縮減)を踏まえ、これまでの県立博物館事業や施設の在り方を見直す必要があるとした。
 そのうえで、今後の県立博物館の機能集約等として▽効率的かつ高度化した博物館資料の一元管理を進める▽地域史と特定テーマを扱う博物館は、長期的な視点で、地元での活用を含め現状の県運営の在り方を見直す▽全県域を俯瞰する役割の博物館について機能強化を進める――の3項目を盛り込んだ。
 県立博物館・美術館の在り方については、16年2月に「千葉県公共施設等総合管理計画」が策定され、同年7月に新たな「公の施設の見直し方針」が決定。これらを踏まえ、博物館・美術館の現状の分散型の施設配置を見直し、機能の集約化、個々の施設への指定管理者制度の導入、地元市町への移譲の可能性を検討することが示された。これを受けて、県教育長が本年3月に「県立博物館・美術館の今後の在り方」について同審議会に諮問した。
 第1次答申を受けて澤川教育長は「答申を踏まえて、県民に魅力ある美術館・博物館となるよう努めていきたい」と述べた。k_times_comをフォローしましょう
times