秋田県文化振興課は、県・市連携文化施設の整備で、本体継続費などを盛り込む4カ年継続費として211億2,840万3,000円を9月補正予算案に計上した。秋田市もこのほど、同市の支出分として継続費89億7,956万4,000円を提案しており、市の支出分は県が提案している211億円の中に含まれる。本体工事の発注行為は県が実施することとなっており、予算化されれば12月上旬にはWTO案件として公告される。継続費には本体工事のほか、駐車場整備、外構工事、設計監理、工事監理、埋蔵文化財調査なども含まれている。
県・市連携文化施設は、老朽化した県民会館、秋田市文化会館に替わる新たな施設として整備するもので、県民会館敷地に建設する。秋田和洋女子高等学校の校舎棟も移転させ、跡地には文化施設の駐車場を建設する。
施設は高機能型ホール(約2,000席、7,850u)と舞台芸術型ホール(約800席、4,450u)を核に、エントランスロビーや情報発信・にぎわい創出部門(2,050u)、文化創造部門(2,010u)、管理・共用部(5,380u)などで構成される。
今年の6月県・市議会では、それまで示していた231億円の総事業費が23億円増加し、約254億円となる見通しを報告。労務費や資機材の価格上昇等で12億円の増、基本設計事業者の公募時から本体工事施工者公募時までの建設物価上昇率を、建設物価指数に基づき約5%と推計して約10億円が増えたなどとしている。
9月補正予算では、秋田市も同市の負担分として89億7,956万4,000円を補正。これは、もともと設計費や用地取得費などを盛り込み平成29年11月補正予算で設定していた4カ年継続費(29〜32年度)に、本体等工事費用を加えた5カ年継続費(29〜33年度)の補正で、年割額は平成31年度が25億8,098万3,000円、32年度が26億3,098万9,000円、33年度が37億6,759万2,000円。
本体工事の発注は県に1本化することになっているため、県は市の負担金も合わせた全体工事費の211.2億円を今回、計上した形。
9月議会には実施設計(素案)(佐藤総合計画・小畑設計JV)が提示され、12月上旬にはWTO案件として本体工事の入札公告手続きを開始、施工業者の選定作業に入る。平成31年の2月議会には実施設計案や運営管理計画案を提示し、同年3月下旬には工事請負契約を仮契約する見通し。
提供:秋田建設工業新聞社