建通新聞社
2018/09/03
【大阪】建コン協 近畿の主要発注機関と意見交わす
国土交通省近畿地方整備局、府県、政令指定都市といった近畿圏の発注機関と建設コンサルタンツ協会(村田和夫会長)との意見交換会が8月30日に大阪市内で開かれ、担い手の育成・確保のための環境整備や技術力による選定、品質の確保・向上について意見を交わした。協会側は特に、働き方改革に関わる取り組みついて力を込めて要望した。
担い手の育成・確保のための環境整備で協会は、完全週休2日、深夜残業ゼロの実現、月間残業時間規制の順守を目指すため、履行期間設定支援ツールの運用徹底や前倒し発注など発注時期の分散化、発注時の条件明示の徹底を要望。併せて、条件明示チェックシートやワンデーレスポンスなどについて「非常に有効」との認識を伝えた上で、継続を求めた。
近畿地整は「平準化では早期発注や繰り越し活用により発注時期の分散に努めているところ。引き続き柔軟な運用をしていく」とした。条件明示チェックシートやワンデーレスポンスについては、「出先への周知を再度徹底する」と応えた。
働き方改革について協会は、年度末に月80時間を超える残業が発生している実態を報告(会員を対象とした1人当たりの月別残業時間調査結果)。「改正労働基準法に照らすと全ての建設コンサルタント職員の残業時間を通常で月45時間以下、年度末の2〜3月でも平均80時間以下に抑える必要がある」とし、国債、翌債・繰り越しの活用、早期発注により3月に集中する納期の分散を強く求めた。
ワークライフバランスの問題点としては、「突発的な作業依頼が深夜残業などにつながっている」と分析結果を示した上で、中部地方整備局で先行する対策「ウィークリースタンス」の全業務への適用、自治体への展開を要望した。
ウィークリースタンスは、▽金曜日に新たな依頼をしない▽午後4時以降の打ち合わせは行わない▽業務工程に影響する条件などを受発注者間で確認・共有する―といった項目を設定。受発注者相互で確認・調整し議事録に残すことで、業務環境を改善する取り組み。中部地整で昨年度から試行しており、効果が上がっているという。
意見交換には、協会から村田会長や近畿支部の兼塚卓也支部長、近畿地整から黒川純一良局長、森戸義貴企画部長、府県・政令市から土木部トップら約70人が出席した。