東京都中央卸売市場は、第10次卸売市場整備計画に基づき淀橋市場(新宿区)の再整備素案の検証作業を開始する。新たな事務所や卸売市場、河口・パッケージ施設などを整備する素案の実現可能性を探り、現実的で効率的な施工が可能な再整備案を取りまとめる考えだ。
淀橋市場(新宿区北新宿4ノ2ノ1、敷地面積2万3583平方b)は、青果物を取り扱う市場。限られた敷地面積の中に老朽化・狭あい化した施設があり、施設の再整備や場内動線の見直しが必要となっている。都が5月に策定した市場整備計画では、「狭あいな市場の効率的な活用を図るとともに、実需者ニーズに配慮した施設整備を検討する」との方向を打ち出している。
こうした状況を踏まえ、都はこれまでに、市場関係者の意見も踏まえ▽新事務所棟(5階建て)▽北卸売場(2階建て)▽東卸売場(同)▽加工・パッケージ施設―などで構成する再整備素案の検討を進めてきた。
再整備の実施に先立ち素案の実現可能性を検証し、計画内容の精度を高める。
素案に基づく施設整備を行った場合のシミュレーションを行い、市場を運営しながら施工するためのローリング方法や工事の規模、エリア、期間などを検証する。また、現在の場内物流の状況を踏まえ、施工期間中・施工後の動線計画を考える他、施工期間中の市場外待機車両の増加や仮設スペースでの営業活動など施工に伴う影響を評価する。
これらの検証結果を基に、実現可能な施設整備案を改めて検討。現在の案よりも工事規模を縮小した案を複数検討し、それぞれ施工期間やエリア、概算費用、整備効果、市場関係者の意見を含めた総合的な評価をまとめる。
9月19日開札の希望制指名競争入札を経て検証業務を委託し、年度内に成果を得て整備計画の絞り込みにつなげる。
提供:建通新聞社