中部電力と尾鷲市、尾鷲商工会議所の3者は8月24日、2018年度中の廃止が決まっている中部電力尾鷲三田火力発電所(尾鷲市国市松泉町1)用地の活用に関する協議会「おわせSEAモデル協議会」を設立した。63万4000平方bの敷地の活用方法に関するグランドデザインを18年度末までに策定。具体的な施策を決めた後、施策ごとに企業誘致や実証実験、設計、建設工事などを行い、おおむね5年程度で、供用・稼動開始を目指す。
24日の初回の会合では、発電所用地の効果的な活用により、地域産業の振興や雇用促進に寄与していくことを主眼に置くとした上で、尾鷲市をリーダーとする「市民サービス・文化・観光」、中部電力をリーダーとする「エネルギー」、尾鷲商工会議所をリーダーとする「農林水産業・商工業」のプロジェクトを設置することを決定。具体的な施策は現時点で未定としながらも、「市民サービス・文化・観光」では釣り桟橋やキャンプ設備の整備など、「エネルギー」では木質バイオマスなどエネルギー生産設備、「農林水産業・商工業」では陸上養殖など新たな産業振興を活用案としている。また、施策展開の場所を確保するため、現在の発電用設備の撤去工事を19年度から3年ほどかけて実施する予定。
同地については、18年1月に中部電力が尾鷲市に対し、設備の老朽化に加えて稼働率の低下した尾鷲三田火力発電所の広大な土地を活用したエネルギーの地産地消を中心とした地域活性化モデルを提案。その後、尾鷲商工会議所を加えた3者で協議を重ね、5月に中部電力と尾鷲市が用地の有効活用について相互協力し、共存共栄の理念に基づき地域の活性化に努めていく内容の協定を締結した。協定には、円滑・効果的な推進を目的とした協議体の設立が明示されており、今回、協議会が設立されることになった。同地には、尾鷲市と熊野市、紀北町、御浜町、紀宝町が広域ごみ処理施設の建設を検討しているが、同協議会の協議項目には含まれていない。
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建通新聞社