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北陸工業新聞社
2018/08/28

【石川】水害に備えた防災対策推進/県9月補正予算で知事裁定 

 石川県の18年度9月補正予算編成に係る知事裁定が27日、土木部から始まった。
 裁定に先立ち、谷本正憲知事は記者団を前に、「9月補正には大きな柱はないが、6月補正予算以降に生じた状況の変化に対応した予算になる。中でも大きかったのは西日本の豪雨災害で、災害から得るものが幾つかあった」とし、「一つは国の追加認証を得て、河川の改修や砂防施設の改修事業といったものをハード面で、より即効性の高い災害予防事業も進めていく必要がある」と強調した。避難行動の重要性にも触れ、「避難がよりスムーズに行えるよう洪水浸水想定区域図とか、ハザードマップとか、ソフト面での対応を少し前倒しで、急いでやっていく必要がある」と述べ、「災害に関連する事業が予算の主な部分を占める」との見解を示した。
 このほか、海外誘客を戦略的に進めるため「予算で反映できるものは反映したい」と語った。
 知事裁定は県庁庁議室で行われた。板屋英治土木部長は近年、全国各地で集中豪雨の頻発により、大規模な豪雨被害が相次いで発生し、県内においても過去最大の雨量が相次いでいることを説明した上で、ハード・ソフト両面からの「水害に備えた防災対策の推進」が重要と強調。抜本的な対策としては「堤防整備や川幅の拡幅などの河川改修が基本で、県内では現在、16河川で改修工事を実施中。ただ、抜本的な対策には膨大な費用と時間を要するため、即効性のある災害予防対策としては堆積土砂の除去が有効」と述べ、昨年度に堆積土砂の除去を施した鍋谷川など24河川では、今年7月の豪雨で氾濫がなかったことを紹介。加えて、防災対策は住民の迅速な避難に向けたソフト対策も重要とし、「洪水浸水想定区域図の見直しや、市町など関係機関と連携し迅速な避難に向けた情報の周知徹底を図っていく」との考えを示して理解を求めた。
 谷本知事は「河川改修などと並行する形で、非常に即効性ある堆積土砂の除去を進めていけば住民の安全、安心につながる」と語った。

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