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建通新聞社(岡山)
2018/08/29

【岡山】岡山市本庁舎整備検討会が初会合

 岡山市は、本庁舎整備について有識者からの意見を聞くため、建築、まちづくりなどの専門家や市民代表で構成する市役所本庁舎整備検討会(座長:上田恭嗣ノートルダム清心女子大学教授)を立ち上げ、24日に初会合を開いた。
 大森雅夫市長は「1968年に現在の庁舎が完成した当時、中学生だった私は、立派な建物ができたということで父親に見学に連れてきてもらった記憶がある。それから50年がたち、立派だった建物も耐震性などに問題が生じている。2013年と14年に行った調査では中層での建て替えがコストパフォーマンス的に一番良い方法だという結論を頂いている。これらを踏まえ、基本構想策定に向けて委員の皆さんの知恵をお貸しいただきたい」とあいさつした。
 当日の検討委員会では、市が本庁舎・分庁舎・保健福祉会館・民間ビル賃貸など機能が分散配置されているなど現庁舎の現状と課題や市民アンケート結果の報告、新庁舎整備の五つの基本理念など目指すべき庁舎像を提示し、それぞれについて各委員の意見を聴取した。 
 五つの基本理念は、@市民に親しまれるおもてなしのある庁舎(ユニバーサルデザイン、市民交流の場の創出)A安全・安心、災害に強い庁舎(防災拠点の整備)B機能的・効率的な庁舎(行政サービスの向上と事務の効率化)C自治体の顔・まちづくりの拠点となる庁舎D環境に配慮した庁舎とすること。
 新庁舎の性能・機能案として、市民窓口機能は集約して低層階に配置しワンストップサービス化を図ることや市民アンケートでも多くの意見が寄せられた駐車場と本庁舎の動線配慮では、庁舎に隣接した屋根付き駐車場や車寄せなどの設置の必要性なども提示した。
 また、本庁舎・保健福祉会館・分庁舎と大供公園、鹿田駐車場の周辺立地機能と連携した一体的な整備により大供周辺にふさわしい魅力あるまちづくりの拠点形成。この他、新庁舎の構造形式は今後の検討の中で、建設費用、工期、維持管理コストを総合的に加味して免震構造などの形式から決定、事業手法として民間事業者の資金や建設・運営ノウハウを活用するPPP手法の導入可能性を検討するとしている。
 各委員からは、「単なる庁舎整備ではなくて、政令市としてのまちづくりの観点から広い意味で議論すべき」「できる限り将来を見据えた庁舎の在り方を検討していくべき」「ハード整備だけでなく、ソフト面からも政令市のシンボル的機能を有するものにしていくべき」、「市役所に市民が訪れる目的をしっかりと認識し、市民サービスが受けやすい庁舎としてほしい」などの意見が出た。
 市は、本庁舎整備等基本構想策定業務を三菱UFJリサーチ&コンサルティング(大阪市北区)で進めており、検討会の意見を加味しながら、18年度中に基本構想を策定し、19年度以降、基本計画策定などを進める予定。事業スケジュールは現在のところ未定だが、他都市の例から新庁舎の完成は7〜8年後となることが見込まれる。
 本庁舎の規模は鉄骨鉄筋コンクリート造地下2階地上9階建て延べ2万7595平方bを想定。13年度に工法検討や整備費用などの調査を山下設計(大阪市中央区)に委託、中層(地上14階建て)での建て替えが望ましいとの結果が出ている。市では、この調査結果を基に18年度で協議を進めていく方針。
 また、庁舎整備基金として70億円を本庁舎整備の財源として積み立てしている。

「提供:建通新聞社」