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建通新聞社(神奈川)
2018/08/29

【神奈川】横浜市教委 学校建替えで木造校舎導入検討

 横浜市教育委員会は小・中学校の建て替えで木造校舎の導入に向けた検討を始める。他都市の事例や法令などの制限を収集・確認し、横浜市における木造校舎の仕様を練って材料調達などの課題を整理。その上で、モデルケースとなる1校を設定して▽建て替えの手順と木造新校舎のプラン▽整備スケジュール▽概算費用―を考える。これに伴う業務の委託先を公募型指名競争入札で9月中に決定。2018年度内に成果を得て、19年度以降の建て替え対象校の基本構想立案で木造校舎を採り入れる際の基礎資料とする。
 1981年度以前に校舎を建設した小・中学校384校を2051年度までに建て替える基本方針(17年5月)で、「子どもたちにとって身近な空間で木材の利用を進め、健康的で温もりのある快適な学習環境を整備」すると明記。市の公共建築物整備を手掛ける建築局と木造校舎の建設を含めた検討を進めていた。
 今回の業務では、3階建て木造校舎を巡るコスト・工期・構法・仕様などについて他都市の事例を収集し、木造校舎の建設を取り巻く法令などの制限を確認する。
 横浜市における木造校舎の仕様は構造別(鉄筋コンクリート造、木造、鉄筋コンクリート造と木造の混構造)の建設コストや、仕上げ部材の仕様別性能(耐久性、防汚性など)とコスト(イニシャル、ランニング)を比較して練る。材料調達、建設工期、一般流通材を用いた構造といった項目を挙げて木造校舎の建設に関わる課題を整理する。
 モデルケースとなる1校で、現敷地に仮校舎を設けて旧校舎を解体し、木造新校舎の建設する流れを念頭に置きながら、建て替えの手順と木造新校舎のプランを検討。設計から建設までのスケジュールを作り、仮校舎設置・旧校舎解体・木造新校舎建設にかかる概算費用を算出する。
 委託先を決める公募型指名競争入札は「建築設計(監理含む)」(細目=庁舎、学校、病院等の設計)と「建設コンサルタント等の業務」(細目=その他建設コンサルタント)がそれぞれ2位以上で、公立小・中学校施設の木材利用検討や木造校舎設計を受注した実績を持つ競争参加有資格者(市内、準市内、市外)に参加してもらう。9月3日まで申し込みを受け付け、9月4日の指名・非指名通知を経て9月27日に入・開札する。19年3月29日を期限に業務成果品を納めてもらう。

提供:建通新聞社