愛媛県公営企業管理局は、肱川発電所(大洲市)の発電設備更新を年内に入札するとともに、西日本豪雨で浸水被害を受けた発電所建屋を建て替えるため、設計を9月に外注する。また発電所への進入路の復旧工も9月ごろ発注される。設備更新の事業費は4カ年で33億4710万円。工事請負契約案件は12月または2019年2月議会に諮られる。建屋の設計委託事業費は2160万円。進入路復旧事業費は9980万円。
更新される発電設備は水車1台、発電機1台、配電盤装置、屋外変電所など。設計は17年度にニュージェック愛媛事務所(松山市)が担当した。一般競争入札で全て一括で実施、事業期間は19年1月から23年1月で発電開始は23年2月を予定。
改造事業が進められている鹿野川ダムのトンネル洪水吐きが運用されれば、発電に伴う放流量が28立方b/秒から24立方b/秒に減少されるのに伴い、放流量に適した効率の良い発電設備に更新される。発電出力は現状の1万0400`h(最大)から9000`h(同)となる。
建屋の規模は、鉄筋コンクリート造2階建て延べ839平方b。指名競争入札で実施、設計期間は10月から19年5月。工事発注は19年度の第4四半期になるもよう。
当初、老朽化・効率化対策として18年度から発電設備の水車や発電機などの更新に着手する計画だったが、西日本豪雨により発電所が被災し全損したため、建屋の建て替えも行うこととなった。土木施設の鹿野川ダム内に配置されている取水口や水圧鉄管の他、放水路は被災を免れ、今回の更新には含まれない。
肱川発電所は、鹿野川ダムの左岸側ダム直下に設置されており、1958年11月に運転開始されている。築60年が経過し、オーバーホールなどは行ってきたが、設備の更新は今回が初となる。場所は大洲市肱川町宇和川597。
提供:建通新聞社