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建通新聞社(東京)
2018/08/24

【東京】中野区 中野駅前再開発区民会議を再開

 中野区は、21日に酒井直人区長就任後初めてとなる「区役所・サンプラザ地区再整備推進区民会議」を開いた。酒井区長は中野駅新北口地区再開発について、同会議を区民や専門家と議論する場と位置付け、今後12月まで毎月1回開催する。酒井区長は毎回出席して意見を聞き、2019年1月に区が取りまとめる計画案に反映させる考えだ。
 中野駅新北口地区では、中野区役所本庁舎の移転と中野サンプラザの建て替えを含む再開発によって、最大収容1万人規模のアリーナ施設と集客交流施設・多機能複合施設の整備が計画されている。ただ、区主導の計画について区民からの疑問の声も多く、酒井区長は計画の再検討を公約に掲げて6月の区長選挙に当選した。
 区民会議は2015年10月から17年10月までに4回実施。酒井区長が「今までのやり方を変えたい」と話す今回の会議では、主に今後の議事の進め方や会議の在り方を議論した。従来は区の示した案を議論する場だった会議について、「すでに決まったことを話し合ったところで、どうしようもない」と疑問を呈する委員が多いため、議論の方法を改善。町会や地元商店主、建築家、学識経験者など各分野を代表する委員がより多くの発言ができるように、ワークショップを実施し、幅広い意見を求める。
<計画自体の白紙撤回はなく、施設の適正規模を検討〉
 会議では一部の委員から計画そのものを白紙にしないのかという意見もあったが、酒井区長は「今までの決定を無視することはできない。区内ではさまざまな開発計画があり、区役所・サンプラザ地区だけの問題ではないので、全体としてどうするのかを皆さんと考えたい」と発言。区民の意見を反映しながら、現実的な対応を取る考えを示唆した。区長の言う「再検討」とは、新たな施設の内容や規模の見直しとなるようだ
 委員からは「中野サンプラザに思い入れはあるが、建設から45年たった建物を今後も残すのは無理。計画の時間軸を早急にはっきりさせることが必要」「新たな施設は中野サンプラザの面影のあるものを」と、建て替え自体は受け入れるものの、区の財政圧迫を懸念する意見が多く出された。新たな後継施設にホール機能は存続させつつも、それが「1万人アリーナ」とするのが適切なのかが問題の焦点となっている。会議では財政措置と周辺住民への影響などを考慮しながら、中野駅前の顔となる施設の計画を検討していく。

提供:建通新聞社