建設業を「もっと知りたい」―。神奈川県魅力ある建設事業推進協議会(CCI神奈川)の出前授業などに参加した高校生の7割超がそう考えている。必要な知識・資格、そして、女性がどのような分野で活躍しているのかなどが具体的に知りたい内容だという。また、建設業を将来の選択肢に、あるいは就職先として考える生徒が合わせて9割に上ることもCCI神奈川によるアンケート調査で分かった。建設業の役割と魅力を伝えるという、CCIの取り組みは着実に進んでいるといえそうだ。
生徒たちが出前授業や現場見学会を通じて感じたこと、建設業界への入職に関する考えなどを把握し、今後の活動の参考にすることを目的に調査したもの。参加生徒299人の約92%に当たる275人から回答を得た。
高校で建築や土木、造園を学ぶ生徒が参加したため、建設業界への関心は高い。82%が「ある」と答えた。そして、出前授業を受けた後に、建設業のことを「もっと知りたい」と回答したのは全体の74%に上っている。建物ができるまでの工程、入職の経緯、仕事の具体的な内容、必要な知識・資格、就職の仕方などがその内容として挙げられている。
就職先として考えているのかについては、「将来の選択肢として考えたい」(59%)と「就職したい」(33%)の二つで92%を占めた。その理由として寄せられたのは、「地図に残る仕事がしたい」や「大変そうだけどやりがいのある仕事だと思えた」といった声。その一方で、就職を希望しない生徒は「大変そうだった」「自分には向いていない」と感じたようだ。
アンケートではこの他、現場見学会と出前授業に対する感想も聞いている。それによると、現場見学については、免震構造やVR(バーチャル・リアリティー)を使った最新の技術・工法が生徒の興味をひいたという。一方、出前授業については、仕事内容や労働時間、給与に関する現場技術者の生の声が好評を得たようだった。
CCI神奈川は、県や国土交通省関東地方整備局、神奈川県建設業協会などで構成。業界のイメージアップ施策を展開している。出前授業・現場見学会は、県内の工業高校生などを対象に実施しているもの。2017年度は、▽吉田島高校地球環境系列▽向の岡工業高校建設科▽川崎総合科学高校建設工学科▽相原高校環境緑地科▽神奈川工業高校建設科▽藤沢工科高校建築コース―が参加した。
提供:建通新聞社