県が2018年度から10年間の経営戦略 民間活力のさらなる導入検討、高度処理施設の早期整備、防災・耐震など 県は大村湾南部流域下水道事業の経営基盤の強化に取り組むことを目的に、中長期的な基本計画となる経営戦略をまとめた。2018年度から10年が期間。民間活力の更なる導入検討のほか、高度処理施設化の早期整備、防災・耐震などを目指す方針だ。建設改良費の総投資額について県は、今後10年で53億1670万円を見込んでいる。
県は同経営戦略財政投資計画の中で、18年度の建設改良費を8億0950万円と見積った。以後、19年度7億8330万円、20年度7億6100万円、21年度3億0550万円、22年度4億4840万円、23年度3億1700万円、24年度5億9500万円、25年度3億4200万円、26年度3億8400万円、27年度5億7100万円と試算した。
県は、基本理念を「快適な暮らしを支える下水道事業を持続的・安定的に提供する」と設定。経営方針として▽維持管理の効率化、コスト縮減(事業施行体制・下水道資源の有効活用・事業主体の検討・設備台帳システムの整理)▽環境負荷の低減、災害への備え(高度処理化整備・防災耐震・不明水の対応)―などを掲げた。
施設の老朽化が進むことに伴い、保守点検結果の分析、修繕の迅速な対応等が必要になることから、県は、包括的民間委託業務の拡大、コンセッション等の民間活力の更なる導入を検討することとした。また、不明水に関しては、管渠の破損によるものも考えられることから、枝線管渠の調査・更新を行うよう促す。
また、熊本地震の対応を踏まえ、下水道BCP策定マニュアル(地震・津波編)の改訂があったため、更なる見直しを実施するとともに、計画的・継続的に見直す体制づくりを検討。このほか、災害時の非常用電源装置の燃料確保方法の検討も同時に行う構えだ。場内衛生設備へのマンホールトイレ整備検討も盛り込んだ。