滋賀県は、今年度に「滋賀県砂防関係施設長寿命化計画」を策定する。性能上の安定性や強度の低下が懸念される砂防関係施設を対象として、部位ごとの変状レベル評価結果を用いて、施設機能への影響度等に応じた健全度評価の細分化、県全体の対策優先度の設定等を行うもの。所管の県土木交通部砂防課ではこのほど、担当コンサルを復建調査設計に決定、業務をスタート。来年3月末日までにそれぞれの施設での対策工を含めた成果物を取りまとめる方針。
計画の対象となるのは概算で▽砂防設備2544設備(うち砂防堰堤1204設備)、▽急傾斜地崩壊防止施設291設備、▽地すべり防止施設10設備―。
策定に当たっては@変状レベル評価結果及びマニュアルに基づき健全度をA、B、Cの3段階で評価。このうちB、C評価については、砂防関係施設の構造特性や材料特性、損傷の種類、流域の施設配置状況、施設周辺状況等を踏まえ、施設が機能低下した場合の影響度を把握し、その程度に応じた細やかな評価を実施するため、評価区分を細分化し、優先度検討や年次計画に反映させる。そして、健全度評価で要対策と評価し、優先順位の高い施設については、構造、損傷状態、施設の周辺状況、絹低下の発生原因等を踏まえて、対策工を選定。施工に必要な仮設備等を考慮した概算工事費も算出する。今のところ、優先順位の高い施設は、砂防設備17施設、急傾斜地崩壊防止施設3ヵ所を想定。
さらに、地すべり防止施設については、大津、南部、甲賀、東近江各土木事務所管内に位置する施設の構造特性や材料特性、変状の種類、保全対策等を踏まえて対策方針の整理を行う。
最終的に砂防関係施設(砂防設備、急傾斜地崩壊防止施設、地すべり防止施設)について、「対象施設」、「計画期間」、「個別施設の状態等」、「対策の優先順位の考え方」、「点検計画」、「対策内容と実施時期」、「対策費用」から成る「滋賀県砂防関係施設長寿命化計画」を取りまとめることとなる。
提供:滋賀産業新聞