名古屋市住宅都市局は久屋大通の南エリア再生に向けた検討で、今後の整備の内容や整備を進める上での条件などを検討する調査に着手する。官民連携による整備を想定しつつ、今後の整備の方向性を見据え課題を整理する考えだ。これに先立ち「久屋大通(南エリア)の整備の前提条件に関する検討業務委託」の公募型プロポーザルの手続きを開始した。企画提案書を9月3日まで受け付ける。9月下旬にも委託者を特定する。履行期間は2019年3月22日。
久屋大通の南エリアは、久屋大通公園の面積が約5f。周辺の道路部を含めると約9fが検討対象。公園の魅力向上や歩行者の回遊性向上に向けて、現況を調査し、課題を整理する。南エリアは地上部に広場、地下は北側が広小路通の直下までが地下街、同地下街に南側に隣接する形で、久屋駐車場、エンゼルパーク駐車場が配置され、公園南端は地下鉄名城線の矢場町駅がある。
公園内の広場は、休日にはイベントが数多く開かれ、数多くの人でにぎわいが生まれている一方で、平日はそれほどでもない。平日の魅力アップにつながる集客・交流機能の導入や公園機能について検討する。
歩行者の回遊性向上策として▽南北の連続性強化▽公園と沿道の一体化▽地上と地下の連続性強化▽自転車利用者対策▽駐車場の機能転換―の各課題についてどのような対処策があるか複数案をまとめる。
南北の連続性強化は、駐車場各出入り口の移設や集約などの再編や地下駐車場の一体化などが可能かどうかを調査する。現在の出入り口は、愛の広場付近(出入り口が計4カ所)とエディオン久屋広場の南側と東側(入り口が計2カ所)、エンゼル広場北側(出口)。また、公園内の各広場を横断する東西道路が必要かどうかや、公園東側における南北のレベル差に対し横断デッキを設ける場合の箇所や形態なども検討する。その他、南噴水広場や若宮大通公園の活用方策について検討する。
公園と沿道の一体化は、南北道路の車線を減らした場合の活用方策や公園東側街区との約5bのレベル差に対し東側横断デッキを設置した場合の箇所などを考える。
地上と地下の連続性強化について、現在は地下街から地上部に上がる階段があるが、地下から公園があるのを把握できる場所がない。例えば吹き抜け空間を設けることで一体性を強化できないか探る。
自転車駐車場は、現在は歩道にスペースがあるのみ。新規整備する場合の箇所や規模、自転車と歩行者の分離方法について検討する。
久屋駐車場の機能転換は、機能転換を行った場合の導入機能や規模、駐車場確保台数などを把握する。
市が13年度にまとめた栄地区グランドビジョンでは、南エリアを「にぎわいの空間」と位置付けており、集客や交流の場として整備する方針。地下空間と合わせて再整備する施策イメージを示している。
提供:建通新聞社