東京都財務局建築保全部は、休日確保の状況に応じて労務費を補正する「週休2日モデル工事」を発注者指定型として試行する。労務費にしわ寄せが生じないよう、国土交通省が直轄工事に導入している補正係数(最大の1・05倍)を取り入れて経費を計上した上で、契約手続きを行う。対象は「立川駅南口東京都・立川市合同施設(仮称)(30)新築工事」と「都立竹台高等学校(30)改築工事」の2件で、いずれも10月上旬に一般競争入札を公告する予定。
同局では、公共工事の品質確保と担い手の確保・育成策の一環として、週休2日確保モデル工事や女性活躍モデル工事、若手育成モデル工事などの試行を進めている。こうした中、国交省が直轄の週休2日工事に、休日確保(現場閉所)の状況に応じて必要経費を上乗せする対応を2017年度に開始。18年度は現場管理費と共通仮設費の補正係数を引き上げるとともに、新たに労務費と機械経費(賃料)にも休日確保の状況に応じて補正係数を導入した。
財務局でも労務費などの必要経費にしわ寄せが生じないよう、実態に即した経費の計上が必要と判断。現場の閉所状況を勘案して労務費を補正するモデル工事を試行することにした。
発注者指定型として工事を発注し、工事の完了後に現場閉所の達成状況を確認。週休2日が確保できなかった場合、契約金額のうち労務費補正分(1・05倍)を減額変更する。国の営繕工事と同様、共通仮設費と現場管理費、機械経費は割り増しの対象外とする。
立川駅南口合同施設(立川市柴崎町3ノ9ノ25)は、多摩地域の雇用・就業支援拠点として、都のしごとセンター多摩と労働相談情報センター国分寺事務所・八王子事務所を移転集約するとともに、立川市の駐輪場や地域特産品の販売施設を合築する。規模は鉄筋コンクリート造地下1階地上7階建て延べ9040平方b。
竹台高校(荒川区東日暮里5ノ14ノ1)では、狭く老朽化した校舎や体育館を段階的に取り壊し、鉄筋コンクリート一部鉄骨造5階建て延べ1万1670平方bの規模の新たな校舎・体育館を建設する。
いずれもWTO政府調達協定対象の一般競争入札を10月上旬に公告する予定で、週休2日モデルとともに「女性活躍モデル工事」も試行する。
提供:建通新聞社