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建通新聞社(神奈川)
2018/08/20

【神奈川】横浜市 飯島雨水調整池の基本設計に着手

 横浜市環境創造局は「飯島雨水調整池」の整備に伴う基本設計業務を昭和設計(大阪市北区)に委託した。栄区飯島町の地盤が低い地域(飯島地区南部低地区)の浸水被害を軽減するため、同町内にある旧豊田高校グラウンド跡地の一部を利用して、貯留量1万5600立方bの地下式調整池を築造する計画。JR高架橋との近接や軟弱地盤といった課題を踏まえながら、施設の配置・構造・施工方法などを2018年度内に固め、19年度の詳細設計につなげる。19年度末にも初弾工事を発注し、23年度末の完成、24年度早々の供用を目指す。
 旧豊田高校グラウンド跡地(栄区飯島町81)のうち面積5000平方bを神奈川県から購入して整備の前提を整えた。ここを掘削して長さ60b×幅40b×高さ7・4bで貯留量1万5600立方bの「溜めきり型」の地下式調整池を造る。ためた雨水は晴天時に毎分21・7立方bのポンプ揚水で排水管に送り、既設の飯島東雨水幹線を介して、いたち川に放流する。地域が現グラウンド跡地を利用しているため、ふたを掛けて完成後の上部利用を可能にする。
 20〜22年度の杭・土工・仮設・土木躯体工事、22〜23年度の機械・電気設備工事、23年度の建築・建築設備工事と場内整備工事を予定している。
 また、周辺約11fの面的整備で降った雨を飯島雨水調整池に導く内径250_〜1500_、延長約2`の雨水管を敷設する。
 これら一連の整備に総工費約30億5000万円を投じ、飯島地区南部低地区を1時間当たり約60_の降雨に対応できるようにする。
 整備場所の北西に近接してJR根岸線の高架橋が走っており、JRとの協議しだいでは掘削に際しての対策工を練る必要がある。また、地表から深さ20b付近の基盤層まで分布するN値0〜1の軟弱な粘性土と、深さ1・5b程度の地下水位を考慮した杭基礎や仮設構造の検討が不可欠だ。
 さらに、幅が広くない周辺道路を使った資機材・残土運搬、推進工法を予定する調整池流入部の雨水管との施工ヤード・工程の取り合いも課題となっている。
 今回の業務では、これらを踏まえて▽配置計画検討(施設配置、配管・配線など)▽施設設計(構造、形式・機種、主要機器運転・制御方法など)▽水位関係検討(ポンプ揚程、水理計算など)▽施工方式比較検討(施工方法、概算コスト比較、工期、施工難易度など)▽仮設詳細設計―などを進め、基本設計をまとめる。19年3月15日が履行期限となっている。

提供:建通新聞社