国土交通省は8月9日、社会資本整備審議会の官公庁施設部会・事業評価小委員会の合同会議を開き、2019年度当初予算での新規事業採択時評価の結果を報告した。評価対象の今治港湾合同庁舎(愛媛県)、名瀬第2地方合同庁舎(鹿児島県)、瀬棚海上保安署(北海道)の建て替え事業について、いずれも事業化を妥当とする対応方針が了承された。
計画によると、今治港湾合同庁舎は愛媛県今治市片原町1ノ3ノ2他の敷地2600平方b内に、国交省が総事業費約12億円を投じ、19年度から22年度の4カ年で鉄筋コンクリート造3階建て延べ2888平方bの新庁舎、車庫を建設する。同庁舎には既存の今治税関支署、今治海事事務所、今治海上保安部の3官署が入居する。今回、新規事業採択の評価を得たことから、今後、国土交通省の19年度予算案に所要額を盛り込み、具体化する。
今治税関支署(今治市天保山町1ノ3)は市から賃借している既存建物(鉄筋コンクリート造2階建て延べ411平方b)にあり、築後48年を経過し老朽化による不具合と施設の不備により業務に支障が生じている。
今治海事事務所は今治市東門町4ノ3ノ16の旧城東小学校(鉄筋コンクリート造3階建て、借用面積363平方b)を公借しているが、市の施設からの移転を求められている他、海事関連事務所の集まる地区から離れ、公衆に不便を及ぼしている。
さらに、今治海上保安部(今治市南大門町1ノ3ノ1)は、以前入居していた、市所有の今治港湾ビルの取り壊しに伴い、現在の民間ビル(鉄筋コンクリート造6階建て、借用面積751平方b)内に移転。検視・留置場機能や警備救難業務訓練のための武道室機能がそれぞれ現保安部から分散。他の施設を借用し対応しているため業務に支障が生じている。また、防災拠点として耐震性能が不足し災害拠点活動を行う上でも不十分だ。
官庁営繕事業の新規事業採択時評価では、事業計画を必要性・合理性・効果の指標で数値化し、全指標が100点を上回る場合に事業化が認められる。19年度の対象事業はいずれもこの基準を上回ったため、合同会議で事業化が妥当であることを承認した。
提供:建通新聞社