高知県水道ビジョンの策定に向けた第1回検討委員会が6日、高知市内で開かれた。耐震化計画や応急給水計画、アセットマネジメントの推進を盛り込み、2019年度末までに県単位で持続可能な水道の在り方を示す。
検討委員会は、高知大学の藤原拓教授を委員長とし、水道団体や16市町の担当で構成、19年度末までに計5回の会合を開く。会合の間には、県内市町村を六つの圏域に分け、上水道や簡易水道の担当者による作業部会を開き、現状把握や課題抽出作業、実現方策の検討などを進め、各種計画に展開させる。
高知県内の自治体では人口減少に伴い、給水量・給水収益が減少。厳しい経営環境となっている。一方、水道施設の老朽化が進み、更新するために多くの費用が必要となる。また多くの自治体で水道事業を運営するために必要な職員が不足し、技術の継承も十分に行えない状況だという。こうした現状や課題を踏まえ、高知県水道ビジョンを策定し、20〜29年度の10カ年で実施する基本方針や基本施策を示す。「安全」「強靱(きょうじん)」「持続」の観点から、当面の目標や取り組みの方向性を明示する。
このうち、耐震化計画の策定に向けては、厚生労働省が示した指針をベースに検討する方針。具体的には、当面の目標として病院や避難所といった「優先的に重要な給水施設」をあらかじめ設定し、これらの施設への供給ラインや基幹管路の早期耐震化を目指す。15年度現在、高知県の基幹管路耐震適合率は34・4%。全国平均の37・2%を下回り、全国26位となっている。
提供:建通新聞社