砕石場の巨石を爆破 県外からも多数参加 デミーとマツに 県採石協会、新上五島町、加藤産業が協力 日本最大規模の土木体験イベントが新上五島町で開かれた。噂の土木応援チーム・デミ―とマツ≠ェ、(一社)長崎県採石協会(加藤博文会長)や新上五島町、加藤産業鰍フ協力を得て、加藤産業の上五島工場(砕石場)で行った『砕石場の巨石を爆破in上五島』だ。幼児から小学校高学年までの親子連れが、地元・新上五島だけでなく、神奈川や大阪、宮崎、佐賀など県外から、定員(30人)を大幅に上回って参加した。
今回のイベントは、砕石が暮らしに果たす役割とともに、砕石がどのような場所≠ナどのような人≠ェどのような方法≠ナ採取・加工しているのかを理解してもらうことが目的。
イベントの前半は、上五島工場の事務所内で学習。加藤会長が『採石業の仕事全般』について、デミーとマツが『土木の役割や土木全般の仕事』について、新上五島町建設課の本田雄喜治課長が新上五島町を守る土木として『有川港の港湾工事』について、それぞれ豊富な資料を交えながら解説した。
後半は、東京ドーム8個分もの広大な場内に移動し、岩石の発破、運搬、破砕・選別までの一連の工程を見学・体験。46dの超大型ダンプの助手席に乗っての巨石の積み下ろしや、バケットサイズ2立方bの大型ショベルでの巨石すくい、6立方bのタイヤショベルによる巨石の積み込みを体験。巨石の1次破砕・2次破砕プラントも見学した。クライマックスは、高さ約20bの崖に火薬を装薬して行う岩石の発破。
石を見る目が変わった 参加した子ども達からは、「石を爆破するのがすごかった」「迫力があった」「すごい仕事だなぁと思った」「(発破で石が崩れ)けむりがもくもくしてびっくりした」など、やはり、発破についての感想が多かった。大人も「地響きを含めて感動的」「大人でもテンションが上がる」など、発破には強烈な印象を受けたようだ。このほか、「ふだん体験できない、見ることができないようなことができて良かった」「きれいな景色と併せて上五島を満喫できた」、さらには「これまで砕石のことを意識したことはなかったが、これからは、石を見る目が変わる」といった声も聞かれた。
加藤産業の社長でもある加藤会長は、今回のイベントに際し、発破の際の飛び石に配慮した見学位置の設定や、大型ダンプの通行を踏まえた誘導員の配置など、安全面に最大限配慮したという。また、熱中症についても、場内の各所にテントを設置し、水分を提供。場内の移動もクーラーの効いたバスで行った。
これらの配慮に対しては、「優しさに感謝」「優しく面白い方々ばかりで好感が持てた」「皆さん男らしく、とても優しくして下さり感激でした」など、対応した加藤産業の社員に対する感謝の声も多数寄せられた。
これを聞いた加藤会長は、「今回のような活動は、社員にとっても貴重な体験。勉強になるし励みにもなる」と発言。そして「砕石場をオープンにすることで、砕石が社会に果たす役割や重要性を理解してもらえる一端になる」と、手ごたえを感じ、協会としても引き続き、安全面に十分配慮しながら、取り組みを継続していく姿勢を示した。
噂の土木応援チーム・デミーとマツ 土木の大切さや魅力を広く伝えるため、長崎大学技術職員の出水享氏と、葛、同技術コンサルタント福岡支店長
の松永昭吾氏の二人の土木技術者・博士(工学)が結成したユニット。小中学生を中心に、実際の現場でのコンクリートを吹き付けや、ハイテク建機の操作など、普段学校で学べない体験イベントを通して多くの子供達に土木の役割・大切さ、土木現場で働く人たちの技術者のカッコよさを伝える活動を行っている。九州を中心にイベントを展開し、過去11回のイベントには約740人が参加している。