千葉市は9日、千葉公園再整備マスタープラン策定業務委託の公募型プロポーザル選定結果を公表した。提案があった5者から、優先交渉権者に選ばれたのは八千代エンジニヤリング(千葉事務所・千葉市中央区新田町1−1)。千葉公園のさらなる魅力向上と周辺地域の活性化を図るため、(仮称)千葉公園ドームや新体育館の区域(現在の千葉競輪場敷地)も含めて、千葉公園全体の再整備マスタープランを年度内に策定する。
再整備マスタープランでは、(仮称)千葉公園ドームや新体育館を含めた千葉公園全体の一体的な活用はもちろん、「千葉駅周辺の活性化デザイン」で示された千葉駅北エリアの活性化に向けた方向性も踏まえて、公園の再整備のあり方やエリア内の回遊性の確保等について検討する。委託期間は2019年3月25日まで。委託限度額(消費税を含む)は1800万円。
検討を進めるにあたっては、@公園のさらなる魅力向上(既存施設やゾーニングの見直し、新たな機能の導入)A(仮称)千葉公園ドーム等周辺施設との調和(運動施設との相乗効果)B文教施設との連携(近くにある中央図書館等との連続性)C公園を核としたエリアの回遊性の向上(千葉駅からのアクセス強化のための工夫など)D防災機能の強化(広域避難場所・雨水調整機能の向上など)E管理・運営のあり方(多様な主体との連携による運営など)を視点とする。
まず、「現況把握と課題の整理分析」として、上位・関連計画や現地調査、市民・企業等へのアンケート等を通じて対象地域の解決すべき課題を整理・分析するほか、緑を定量的に把握する毎木調査を実施。
また、官民の多様な主体との連携により公園の魅力を引き出すため、「マーケット型サウンディング調査の実施」により、民間の活力を最大限に生かすことが可能な事業の可能性を探る。その際、調査は原則公募により行うほか、より良い成果を上げるため受注者の任意で個別調査を実施。事業構想段階における官民の役割分担や整備・運営手法を検討し、取りまとめる。
これらを踏まえて、基本方針、ゾーニング計画及びアクセスや動線の検討、環境・景観に関する方針の検討と設定、管理・運営方法の検討と設定、市民・企業等から収集した意見及び、サウンディング調査で得た結果のマスタープランへの反映など、「計画内容の検討と設定」を行う。
それに基づいて、「再整備マスタープランの作成」(マスタープラン平面図の作成、実勢価格に基づいた概算工事費の算出、再整備のスケジュール及び手法、マスタープラン説明書の作成)と「再整備後のイメージ図の作成」を行う。その際、マスタープラン案作成後にはパブリックコメントを実施し、広く市民から意見や情報を得る。
千葉公園(中央区弁天3丁目)の再整備対象エリアは、都市計画決定区域で約21ha、都市公園区域で約16ha。野球場や体育館、プールとともに池や広場、散策路などが整備されている。
このうち老朽化が著しい体育館については、千葉競輪場の「250競輪」で整備される(仮称)千葉公園ドームとともに、現在の千葉競輪場敷地内に新体育館を整備する。
(仮称)千葉公園ドームは、日本写真判定が整備する。コンセプトデザインを坂茂建築設計が担当し、RC造(一部別構造)地下1階地上3階建て、延べ約1万4000uのドーム屋根で計画している。
一方、新体育館については本年度、基本設計のプロポーザルでINA新建築研究所を特定しており、本年度の基本設計に続いて19年度に実施設計、20〜21年度に建設工事を行い、22年度の供用開始を目指す。計画規模は延べ約8200u。