福井県ニューレスプ協会(筧和敬会長)は7日、同工法が採用され、鋭意工事の進む「国道8号福井地区防災工事」現場において技術講習会を行った。
福井河川国道事務所発注の越前市春日野地区における道路防災工事で、専門家や大学関係者とともに工事関係者ら約20人が参加。まず施工する高野組の現場事務所で座学。日特建設の技術部員による説明を聴き、従来工法と対比し、老朽面をはつり取らずにリニューアルする優位性を学んだ。現地に足を運んでは、法面吹付工一式の有機繊維補強モルタル吹付1364平方メートルや落石防止網工一式のポケット式ロックネット780平方メートルなど施工内容を間近に確かめた。現況の法面がモルタル吹付部で剥離やひび割れの変状が認められ、今後風化が進むと斜面崩壊の危険性があると判断され、同工法の採用に至った理由も知った。
見学を終え、災害・防災の権威で福井大学名誉教授の荒井克彦氏は、簡易な防護柵などで安価なこの工法に感心し「背面地山の状況把握がもっと手早く的確にできれば普及はさらに進むのでは」と指摘し期待もした。また福井大学工学部の藤本明宏講師も「現場でしか分からない安全性も知ることができた」などと話した。県丹南土木の職員も参加した。