測量等業務の入札制度で県土整備部は7日、来年度からの本格実施に向けた簡便型総合評価の素案をまとめ、県測量設計業協会(大野木昭夫会長)と議論をスタートさせた。素案では500万円未満の限定公募型指名競争入札を廃止して「地域密着型総合評価」を導入。500万円以上の簡便型総合評価は受注減点を一層、効かす方向だ。
鳥取市内であった会合には同部から山内政己部長ら、県測協は大野木会長ら全会員が出席。同部は総合評価のメリットとして抽選と低入落札の回避を挙げた。
適用件数を増やすには、同一日に複数件の開札ができる仕組みを検討。500万円以上が対象の簡便型では下位業者に受注が回りにくい傾向があり、手持ち業務の受注減点(1件当たりマイナス3点)の幅を拡大する。
200万円以上500万円未満の限定公募は、公告から応募、指名までの事務手続きを簡素化するため廃止。代わって地域密着型総合評価の導入とともに制限付き一般競争に移行する。落札の採点方法は現行限定公募の指名基準をベースに評価し、県下3ブロックの地域性を重視する。
これら素案をめぐり県測協の一部会員からは、業務規模が大型化しており500万円を区切りとする価格帯の引き上げや、限定公募の存続を求める意見が出された。受注減点では1件当たりではなく、受注金額によって減点してはどうかといった提案もあった。
同部は最終的な案を11月末をめどに固める。シミュレーションの結果を踏まえて、より踏み込んだ案を今月下旬にも県測協に対して提示。協会内部でも議論を深めてもらう。
同部県土総務課は「基本的に採点項目そのものはいじらない」と話しており、ポイントは会社規模に直結する技術者数の配点をはじめ、受注減点の幅に絞られそうだ。
日刊建設工業新聞