高知県林業振興・環境部は、西日本豪雨による7月24日時点での被害状況をまとめた。総被害額は167億1894万円で、このうち林地荒廃が140億7500万円、市町村が管理する林道施設23億1050万円などとなっている。9月から災害査定に着手し、緊急を要する被害箇所については9月補正予算で災害復旧費を計上、早期の発注を目指す。
同部によると、林地荒廃は安芸市、香美市、大豊町、大月町など18市町村70カ所で被害を確認。このうち主要道路や人家への被害や、生活・事業活動に影響のある箇所の早期復旧を目指す。
大豊町立川地区では7月12日から復旧に向けた調査・測量を開始した。高知自動車道の立川橋が土砂崩れにより流出した場所で、林道立川千本線の復旧を含む。宿毛市大島地区では、7月19日に仮設防護柵や崩土除去といった応急仮復旧に着手した。仁淀川町川渡、大月町安満地、大月町橘浦でも調査・測量に着手している。今後の復旧に向けては、土木部防災砂防課とも協議し、優先度の高い箇所から順次工事を発注する。
林道施設は、香美市、大豊町、仁淀川町、梼原町など18市町村で、75路線160カ所が被災した。うち59路線が全面通行止めとなっている。工事発注は管理する市町村が実施するが、現在、法面や路肩の崩壊により住民の生活や事業活動に影響がある箇所の早期復旧を目指す。応急的に崩土を撤去する仮工事は8月上旬までに計12路線で着手または完了済み、林道の応急本工事は8月上旬までに香美市の4路線で着手する。
治山施設は仁淀川町と宿毛市の2カ所が被災、被害額は2億6100万円。災害査定を経て、早期の発注を目指す。
この他、森林組合など民間の林業関連施設の被害状況は、作業道が29路線で2567万円などの被害が発生している。
なお現在も被害状況の継続調査を進めており、今後被害箇所、被害金額が拡大する可能性がある。
提供:建通新聞社