県土整備部は2日、2018年度第1―四半期(6月末)の執行状況をまとめた。工事と委託業務を合わせた発注率は43・4%となり、前年同期(35・9%)を大きく上回った。同部によると、近年では最高値で「ゼロ県債」の積極的な活用が影響している。
同部所管の公共事業費は「6月補正」後の段階で事務費、用地補償費を除いて工事費225億円、委託費57億円の計282億円。
うち6月末までに工事97億円、委託26億円の計122億円を執行した。
同部は年度当初、各県土が管内事情を考慮した「自然体の発注」で臨むことを確認。上半期(9月末)までに70%程度の執行を見込んでいた。
1四半期の時点で高い率に達したのは、翌年度予算を前倒すゼロ県債の活用により「発注の平準化」が浸透。昨年度「11月補正」で30億円程度を確保して春先までに発注を終えていたことが大きかった。
さらに、トンネルなど大型工事は「債務負担行為」を設定しており、今年度に支払う義務額を反映した八頭や日野管内の執行率を押し上げた。
今後の見通しは、「7月豪雨」で八頭管内を中心に被害が拡大しており、災害査定後の10月以降、災害復旧の発注に拍車がかかる。このためプロパー予算をできるだけ上半期内に執行しておくことが求められそうだ。
また、国の追加補正で編成した昨年度「2月補正」68億円については、6月末までに82%を執行。同部は「未執行のものは用地の手当てを急ぎ、早期に発注を終えたい」(技術企画課)と話している。
1四半期段階でまとめた各県土と事務所の執行状況は次の通り。( )内は前年同期
▽鳥取県土40・4%(32・0%)▽八頭県土59・7%(52・8%)▽中部県土36・5%(31・6%)▽米子県土41・7%(35・9%)▽日野県土45・5%(35・6%)▽鳥取港湾71・5%(48・2%)▽鳥取空港91・7%(41・7%)
日刊建設工業新聞