月島機械は3日の取締役会で、同社市川工場移設後の有効活用について三井不動産と共同で物流施設を開発し、固定資産を売却することを決定した。同工場跡地の面積は8万2616u。今後、両社で事業スキームの詳細を検討し、2019年3月までに土地の一部を売却し、20年冬ごろに物流施設に着工。その後、物流施設の竣工する21年冬ごろにさらに土地の一部を売却し、22年春ごろの操業開始を目指す考え。
月島機械では、経営合理化のため、市川工場の製造機能を日本製鋼所の室蘭製作所に移設することで今年3月に同社と基本協定を締結。市川工場は20年度までに閉鎖する予定。また、同工場に隣接する研究所についても、19年秋ごろを予定して八千代市内に移転することを決定している。
これらを背景に、市川工場(市川市塩浜1−12)閉鎖後の跡地活用について検討を進めてきたが、三井不動産の総合デベロッパーとしてのノウハウ及び豊富な物流施設開発の実績を生かし、事業企画から運営管理を一元化することで物流施設の価値を最大に高め、新たな収益を創出することにした。
市川工場の移設先となるのは、日本製鋼所室蘭製作所構内の第4鉄構工場(敷地面積約1万3500u)ならびに周辺施設。月島機械が第4鉄構工場他を借り受け、自社の製品を製造するほか、日本製鋼所から各種大型圧力容器や管板などの製造を受託する。
基本協定締結後、4月から第4鉄構工場では既存設備の撤去及び移設などの受け入れ準備、市川工場では第4鉄構工場への移設準備を開始しており、12月ごろに市川工場からの設備機器搬出を開始し、来年4月を予定して第4鉄構工場での全体製造を開始する。両社が所有する経営資源と製造技術を相互に活用することで、生産の効率化やコストダウンなど経営の効率化に結びつける。
一方、市川工場に隣接する研究所は、19年秋ごろを予定して八千代市上高野字中野1807−3(敷地面積約1万6500u)に移転する計画。
同研究所では、上下水道分野や化学・鉄鋼・食品分野など幅広い領域で研究開発に取り組んでおり、実験室におけるベンチスケールレベルからパイロットスケールまでの実験と、高精度の分析を連携させた研究体制を整えている。
移転後も、下水汚泥処理などの上下水道設備や、食品・化学分野向け単体機器などの分野を中心に研究活動を強化し、新規事業のための開発に取り組むとしている。