一般廃棄物の広域処理で中間処理施設の早期整備を目指し、基本計画の取りまとめを進めている徳島市は、7月27日に第1回市民会議を開催した=写真。当日は会長に徳島大学大学院社会産業理工学研究部の木戸口善行教授を選任した他、今後の市民会議での検討事項や開催スケジュールなどを確認した。市民会議はあと5回開く予定で、同会議の意見などを参考にしながら早期の基本計画の策定を目指していく。
会議は11人の委員で構成(一般市民から3人)。基本計画の策定に当たり、環境と安全に配慮した施設の整備について、ごみ処理の方法や環境の保全に関する意見を求めることにしている。議事では、事務局(市)が、市民会議の趣旨説明を行い、傍聴要領の承認を求めた後、今後のスケジュールや素案に盛り込む掲載項目と素案の一部を提示した他、広域化に参加する各自治体の中間処理施設の現況説明、これまで地元説明を行ってきた基本的事項(基本方針)を紹介した。
基本計画に掲載する項目は「第1 計画の目的と背景」など10章計45項目を予定。今後の会議で章単位で内容を検討していく。また、環境学習施設やリサイクル体験施設といった環境関連施設、施設周辺環境(景観、緑化)、防災対応なども検討する。
事業は一般廃棄物の広域処理で飯谷町枇杷ノ久保地内に熱回収施設とリサイクルセンターの整備を計画しているもの。計画には5市町(小松島市、勝浦町、石井町、松茂町、北島町)が参加。徳島市が事務委託を受けて、現在基本計画の策定を進めている。業務はパシフィックコンサルタンツ(東京都千代田区)が担当。
市がまとめた基本的事項によると、概算事業費は444・6億円(10%税込み)。施設規模については熱回収施設が日量最大396d、リサイクルセンターは日量70dを見込む。熱回収施設の処理方式・系列数は、ストーカ式・系列数3炉とし、灰溶融設備は付設せず、バイオガス化施設の導入は当面見合わせる。また、新施設から発生するプラント排水は再利用(無放流)する計画。
委員からは、燃焼方式をストーカ式にした理由や発電量、蒸気利用などの考え方の他、燃やせるごみの定義の確認とプラスチックごみの扱い、搬入出計画に関する質問などが寄せられた。この他、実態を把握する必要があるとし、次回開催の8月下旬までに一度会議メンバーで現場視察することを決めた。順調なら来年2月上旬までに基本計画案をまとめる。
提供:建通新聞社