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建通新聞社(東京)
2018/08/02

【東京】都 海老取川、右岸に防潮堤新設

 東京都建設局は、海老取川の右岸(穴守橋〜多摩川)に新たな防潮堤を整備するとともに、左岸で既設防潮堤の耐震対策を実施する。河川管理や治水安全性に配慮しながら親水施設の整備なども検討する。約30年間を期間とする河川整備計画の変更原案の中で、今後の河川整備の方向を打ち出した。都民意見の反映手続きを経て年度内に新たな計画を確定する。
 海老取川は、大田区羽田旭町と羽田5・6丁目〜羽田空港1丁目の間をほぼ直線的に南北方向に流れる1級河川。多摩川から分派し、海老取運河に接続する延長約1`。左岸(穴守稲荷側)は防潮堤の整備を完了しているが老朽化しており、耐震性が十分ではない状況。右岸(羽田空港側)は防潮堤が未整備で、羽田空港跡地のまちづくりの進展に合わせ、高潮に備えた施設整備が求められている。
 こうした状況を踏まえ、新たな河川整備計画(変更原案)では、左岸の防潮堤整備済み区間について、将来にわたって考えられる最大級の規模の地震(レベル2地震)が発生しても機能を保持し、水害に対する安全性を確保するため、鋼管杭の打設などによる耐震対策を実施することを打ち出した。
 一方、右岸では、多摩川〜穴守橋間で、空港跡地まちづくりの進展に合わせ、1959年の伊勢湾台風と同規模の台風が最大の被害をもたらすコースを進んだ時に発生する高潮(荒川基準面から高さ4・1b)に対応できる新たな防潮堤を整備する。穴守橋から下流については、背後地の利用状況を踏まえ、関係機関と連携して今後の対応(施設整備)を検討することとした。
 また、環境の保全・創出・再生に向けた取り組みとして、左岸の耐震対策実施箇所で、防潮堤の上部を開放して水辺に近づけるようにする他、植栽などによる河川緑化、自然石などによる動植物の生息・生育・繁殖環境の整備を行う。
 右岸では、防潮堤の整備区間で、空港跡地まちづくりと一体となって管理用通路(散策路)を整備し、水辺に近づけるようにするとともに芝生で緑化するなど、親水性と環境に配慮した事業内容を検討する。

提供:建通新聞社