進路選択で最も重視するのは「仕事のやりがい」。本紙は松山工業高校の協力で同校2年土木科(40人)・建築科(40人)の計80人に対し、夏休み前に「建設業への就業意識調査」アンケートを実施した。進路選択の上で重要なものを尋ねて八つの選択肢から最適な一つを選んでもらったところ、「仕事のやりがいが得られる」と回答した割合が土木科で28・9%(11人)、建築科で30・7%(12人)だった。また「給与が高い」を選択した割合は土木科で36・8%(14人)、建築科で20・5%(8人)となった。これら二つの選択肢が回答の6割を占め、現役高校生は仕事に充実感と好待遇を求める傾向が高いことが分かった。
設問は「建設業の魅力」と「卒業後の進路」、「進路選択の上で重要なもの」三つ。設問ごと八つの選択肢から最も適当と思うものを選んでもらった。また、建設業に抱いているイメージを自由記述式で聞いた(回収率は100%、設問と選択肢、回答の傾向は別紙参照)。
建設業の魅力をどのようなところに感じるか尋ねたところ、「ものづくりの作業・操作に喜びを感じる」を選択した割合が建築科で47・5%(19人)、「カタチとしてのこるモノができる」を選んだ割合が土木科で41%(16人)と最も多く、ものづくりに魅力を感じる生徒の割合の高いことが示された。
卒業後の進路については建設会社への就職が30%(土木科・建築科各12人)を占めた一方、「まだ決めていない」も30%程度(土木科9人、建築科13人)あった。さらに建設会社を選んだ24人のうち県内は11人、県外が13人と若干だが県外を選ぶ生徒が多かった。
また、自由記述式で「建設業に抱いているイメージ」を尋ねた。「現場の人たちが協力して形に残るものを造ることにやりがいを感じる」との意見が複数あった。「人々の暮らしを支えている」など肯定的な意見が目立ったが、「重労働でしんどそう」「休日が少なく、育休を取りにくそう」といった意見もあり、以前から指摘される業界のイメージアップや処遇改善が改めて必要と言えそうだ。さらに「男性の労働者が多い男社会」との意見もあり、女性活躍推進に取り組む施策の浸透も今後の課題。他に「工事現場を見る機会は多いが、設計作業の様子も見たい」「大きな建物の設計図を見てみたい」という声もあり、業界にとっては高校生に対し新たな体験機会を創出するチャンスになるのかもしれない。
提供:建通新聞社