第27回香川県環境影響評価技術審査会(会長・金子之史香川大学名誉教授)が坂出市内で開かれ、イーレックス(本社・東京都中央区京橋2ノ2ノ1)が坂出市林田地区に計画している、「(仮称)坂出林田バイオマス発電所整備事業」の環境影響評価について現地視察=写真=と共に、同評価の技術指針を踏まえ審査した。引き続き8月下旬と9月下旬の、2回の審査会の審議を経て、方法書(環境アセスの設計書など)についての県知事意見を今秋に発出する。知事意見の発出後は、イーレックスが同意見を基に12月頃から環境調査に着手し予測・評価を実施。その後、19年度から環境影響評価の準備書(環境保全対策等の検討結果)の作成に入り、引き続き同準備書に対する技術審査会の審査を受ける流れとなる。2021年度下半期から着工し、23年度からの運転開始を目指す。
(仮称)坂出林田バイオマス発電所整備事業計画によると、坂出港臨港地区の坂出市林田町番屋前4285ノ214他の敷地4万3600平方b内に、パームヤシ殻(PKS、年間約18万d)と、木質ペレット(年間約15万d)の2種類のバイオマス燃料を使用し、国内最大クラスの発電出力7万4950`h(発電端)のバイオマス発電所を整備する。湿り排ガス量は32万立方b/時、雨水排水を除く排水量は300立方b/日。
ボイラー設備の蒸気発生量は260d/時。タービン設備は単気筒衝動式復水タービン、7万4950`h出力で海水冷却方式でなく、空気冷却方式を導入する。発電設備は三相同期発電機で8万3278KVA。排ガス処理設備は集じん設備でバグフィルター、排水処理設備は滴定方式の中和設備。施設配置は敷地内にプラント用地(供用後)1万5380平方bの他、管理棟、駐車場、燃料ストックヤードなどを整備する。敷地は借地。敷地内ある現在の坂出郵船組建屋は同社が施設を撤去し別置に移転する見込み。
工期は基礎、建屋と機器据え付けで着工から運転開始まで約2年間を予定している。環境アセス業務は国際航業(東京都)と新光電送(丸亀市)が担当。
技術審査会では方法書に盛る工事計画や発電設備、ばい煙と排水処理計画、環境保全対策と環境影響評価の項目などについて審査。冷却方式やばい煙による環境影響や、海外からのバイオマス燃料材の輸入に伴う外来生物・植物の薫蒸の方法やパームヤシ殻の有効活用、代替材使用の可能性に関する質問などがあった。
イーレックスは国内のバイオマス発電で土佐発電所(高知県)と佐伯発電所(大分県)を稼働。大船渡(岩手県)、豊前(福岡県)を建設中。計画中は沖縄県うるま市と坂出市。
提供:建通新聞社