北陸新幹線建設促進石川県民会議の18年度総会は29日、県地場産業振興センターに県内自治体、経済界等から約1000人が出席して開いた。
安宅建樹会長(県商工会議所連合会会頭)はあいさつの中で「北陸新幹線は地域経済活性化の起爆剤として極めて大きな効果を発揮。この効果を本県はもとより、日本経済全体に波及させ、東海道新幹線の代替互換機能を果たすためには金沢、敦賀間の一日も早い開業の実現、さらにはルートが決まった敦賀以西についても2030年度末の北海道新幹線札幌開業頃までに大阪までのフル規格による全線整備が必要」とし、「今後も県民会議の総力を結集し、沿線府県、関西経済連合会とも連携を一層強化して強力な運動を展開したい」と述べた。名誉会長の谷本正憲知事は故中沖豊氏(前富山県知事)の県民お別れの会に出席し、中西吉明副知事が知事あいさつを代読した。
来賓の県関係国会議員6氏を代表し、自民党整備新幹線等鉄道調査会幹事長の岡田直樹参院議員が情勢報告を兼ねてあいさつに立った。国土交通省から金沢・敦賀間の建設費が当初計画より約2260億円増加し、1兆4000億円を超す見込みとの報告が正式にあったことに触れ、「(建設費の増加は)人件費の上昇、資材価格高騰が大きな原因で、東日本大震災を踏まえた耐震設計基準の改定など、やむを得ない要因もある」と説明し、「平成35年春までの開業は国の約束。県民の期待を裏切ることは絶対にできないし、させない」と語気を強め、「来年度新幹線予算の増額を強く求めていく」と述べた。
一方、石井啓一国土交通大臣が先の記者会見で、敦賀・大阪間の建設は財源確保の見通しが立てばとの条件付きで敦賀開業から間を空けずに工事に着手できるとの考えを示したことに関し、岡田氏は「大変力強いことと受け止めている。今、進めている敦賀から大阪間の詳細調査で駅の位置、駅と駅を結ぶルートが確定し、事業費が正確に算定されることで本格的な財源論も始まる」と述べた。また、来年からの環境アセスメントが迅速に進むよう国に要望するとともに、「(敦賀以西の)着工の前年までには財源の見通しも立てねばならない」と強調した。
来賓の藤原崇起関西経済連合会国土・広域基盤委員会リニア・北陸新幹線専門委員長、渡邉修鉄道建設・運輸施設整備支援機構大阪支社長らもあいさつ。議案審議では18年度事業計画を決めた。