高知県内のICT活用工事普及促進を目的に「高知県ICTモデル工事支援連絡協議会」が設立され、23日に初会合を開いた。会では、高知県のICT活用工事実施状況やICT活用モデル工事への技術支援についての報告を行った後、意見交換した。
同協議会は、国、県、関連業界団体で構成し、高知県技術管理課長が会長を務める。昨年度に徳島県で同様の協議会が設立されており、四国では2番目。主な活動内容は▽ICT活用工事の実施における効果や課題の整理▽課題への対応策の検討▽先進的取り組みの情報共有▽普及啓発に関する事項−についての検討など。
会では、県技術管理課が県のICT活用工事の実施状況について報告。昨年6月に試行要領を制定し、1000立方bの土工量を含む工事を対象に施工者希望型22件を発注、うち3件でICT土工を実施した。今年5月には2000平方b以上の舗装工を含む工事と所定の工種を満たした浚渫工を追加し、現時点で4件の工事でICTを活用予定との説明があった。
続いて日本建設機械施工協会施工技術総合研究所の岩渕裕主任研究員が「ICT活用モデル工事(事業)への技術支援」について報告。さらに国が発注する現場支援型モデル事業の現場に、中央西土木事務所発注の「県道高知南環状線社会資本整備総合交付金工事」(森木組施工)を選定、今後実施する支援内容を説明した。「施工者は今後のICT活用工事につなげ、発注者は他の監督職員への知見を展開し、ノウハウを蓄積してほしい」と述べた。
県は今後、現場技術者を対象とした施工技術に関する取り組みとして、県内4地区でICT技術研修会を開催。企業経営者を対象とした意識改革に関する取り組みとして、セミナーを3回ほど開催する。また、モデル工事の支援や活用の効果を取りまとめ、年度内に第2回会合を開催する方針。
協議会終了後、建設会社などから約200人が参加し「i−Construction記念講演」を開催。国土交通省大臣官房技術審議官の五道仁実氏が「i−Constructionの深化に向けて」、大竹組(徳島県牟岐町)の山西公彦常務と工事主任の岸慎二氏が「ICT活用工事の取り組み事例とその課題」について講演した。
提供:建通新聞社