県土整備部は27日、2016年に策定した県版国土強靭化計画(地域計画)の見直し検討に入った。計画の推進期間は20年まで5年間。策定後3年を迎えるのにあたり、外部有識者による評価会議(座長・柗見吉晴鳥取大学副学長)で中間評価し、最近発生した自然災害の教訓を踏まえ年度末にかけて計画を見直す。
地域計画は最悪の事態29項目を回避するため、行政機能や住環境など5つの個別施策分野で構成。その下部には227項目にわたって、それぞれの目標数値となる重点業績指標(KPI)を設定している。
評価会議では、事務局の県技術企画課がこれまでに達成した項目などKPIの進捗状況を報告。併せて、計画を策定後に発生した「熊本地震」「九州北部豪雨」などの自然災害や、関連法改正などを説明した。
委員は「KPIの各項目を達成できても、一番弱いところ(未達成)があればトータルで低くなる」「あんしんトリピーメールなど情報伝達する仕組みはあっても、知らない人が多い」などと指摘。KPI全体の評価をどうすべきかといった意見が相次いだ。
同部は今後、計画の修正課題を抽出して11月上旬までに素案を固め、次回の評価会議に中間報告。その後、年内から年明けにかけてのパブコメを挟んで年度末までに地域計画を見直す。
評価会議の柗見座長は「少なくとも、予測できる降雨による災害は、被害がゼロになる地域計画を作らないといけない」と話した。
日刊建設工業新聞