横須賀市は、「長井地区交流拠点機能拡充に関する官民連携可能性調査業務」の契約候補者に日本総合研究所(東京都品川区)を選定した。見積金額は1499万9040円。履行期間は2019年3月1日まで。「長井海の手公園」(ソレイユの丘)に隣接する未利用国有地3・3fの取得を見据えて、ソレイユの丘と長井地区の交流拠点機能を最大化するため、一体的な機能再編やリノベーションについて、実現可能な官民連携の事業スキームや効果的な運営手法を探る。18年度中には「土地利用方針」をまとめる予定だ。
調査では、▽終了したPFI事業(05〜14年)の検証▽都市公園法上の論点整理▽官民対話を活用した既存公園と隣接地の一体的整備の検討▽最適な事業スキームの検討―などを行い、結果を取りまとめる。
例えば、ソレイユの丘にはPFIで整備した園路などの基盤施設、レストランなどの民間所有施設(BOT)、その後に直轄で整備したオートキャンプ場、指定管理者が整備した施設など、さまざまな施設が混在する。これらの施設の収益性などを評価することで、どのような場合にどのような手法が望ましいのか検証する。
また、先行するPark―PFIは既存または新設であり、拡張時については取り扱いが整理されていないことから、施設計画や事業プロセスを踏まえた論点、課題を整理。さらに新たに導入する機能と既存機能の在り方や施設配置計画については官民対話を重ねて、組み合わせを検討する。
隣接地の用途は、道の駅や観光・宿泊施設の整備も想定され、各ケースのゾーニングと事業スキームを整理・検討する他、コンセッション方式を含め、ソレイユの丘と隣接地の運営を一体的とする運営スキームを検討する。
調査結果に基づき18年度中に方針をまとめる予定で、順調に進めば19年度に国有地を取得するとともに、官民連事業スキームを検討し、公募指針を策定する。さらに20年度に民間の事業者を選定し、21年度から民間資本による整備開始を目指す。
ソレイユの丘(長井4丁目地内)は、PFI方式で整備・運営が行われた全国初の都市公園。現在は指定管理者制度により管理・運営していて、面積は駐車場を含め21・2f。年間65万〜70万人が来場している。
今回検討対象となっている国有地は同公園の東側にあり、広さは南北240b、東西120〜160b。元は国の通信施設があったが、現在は未利用地となっている。横須賀市は、関東財務局横浜財務事務所横須賀出張所から、この未利用国有地の取得などについて希望があるか否か照会を受けたため、都市公園用地として取得する意向があると回答。「横須賀市再興プラン」(横須賀市実施計画2018〜21)の一環として、西海岸の活性化に向けてソレイユの丘の隣接地の効果的な利活用について検討するとともに、官民連携型の整備手法(PPP)の導入を目指している。
横須賀市の「長井地区交流拠点機能拡充に関する官民連携可能性調査」は今年5月、国土交通省が地方自治体のPPP/PFI導入を支援する「先導的官民連携支援事業」の18年度第1次分として採択された。
提供:建通新聞社